「本格推理アプリ」と銘打たれた本作は、提示されたミステリ小説風の問題文を読み、矛盾点や被疑者の嘘の証言などを探し出し、指摘して事件を解決していく、といった内容となっている。
ノベルゲーム&推理ゲームといった趣で、さながら安楽椅子探偵(*直接事件現場には赴かず、伝えられたヒントだけを頼りに事件を推理する探偵)になったつもりで、謎に挑むことができるゲームだ。
ストーリー
主人公は名の知れた探偵で、事あるごとに警察関係者から相談を受けたりしている。
問題文となる事件の数々は、殺人事件から盗難事件、失踪事件から組織犯罪まで多種多様。ミステリ小説好きにはたまらない内容となっている。
本編はテキストオンリーで、事件に関する証言などをよく読んで、矛盾した個所や、明らかに犯人が嘘を吐いている箇所などを見破り、その部分の文書をタップすることで指摘することができる。
問題は全100問と大ボリュームだ。
ゲームシステム
文章を読み、タップするだけの超簡単なゲームではあるが、しっかりとチュートリアルも用意されていて、本当に誰でも楽しく遊べるようにと、実に親切に作られている。
問題は全100問と多いが、どの問題も読む分量は1~2分程度、推理する時間に3~4分程度あればおそらく解けるだろうといった、それほど時間をかけることなく楽しめるものなので、ちょっとした合間の息抜きなどにも使えるゲームだ。
問題文と出題内容をよく読み、推理し、矛盾点や嘘の証言などが書かれた部分をタップしよう。
指摘した個所が正解なら、問題クリアとなり、次の問題文へと移っていく。
不正解の場合でも、回答は無制限なので、いくらでも再挑戦が可能。
ヒントは3回まで確認することができ、ツイッターでアプリの情報をシェアすると、問題の答えを見ることもできる。ギブアップの場合は宣伝に協力してみよう。
グラフィックやBGMなど
基本的には文字しかない作品であるが、時折見える主人公の渋めのキャラクター絵など、ハードボイルド小説風の雰囲気が漂っている。
クオリティ的にはシンプルゲーム・カジュアルゲーム程度のもので、取り立てて秀でたものはない。ただそれはかえって、余計なものを削ぎ落としたような、スッキリとしたデザイン、あるいはスタイリッシュなゲームとして、成立させているようにも思える。
総合評価
まずは作品の作り方や雰囲気からして、ミステリ小説ファン、あるいは推理ゲームファンなどにオススメできるゲームといえる。
全100問というボリュームながら、どの問題も2~3分もあれば読み切れるだろう分量なので、1問1問を空いた時間などにサックリと読んだり解いたりできるようになっていて、気楽に推理ゲームを楽しむことができるだろう。
ただそのような分量からして、ノベルゲームファンなど、ガッツリ活字を読み込みたい人などにはちょっとオススメできない。
また問題も、あまりにも簡単すぎるものがほとんどだし、どこかで目にしたようなトリックや犯行内容ばかりなので、ミステリ小説ファンだからこそ物足りなさや不満を感じてしまうこともあるかも。
そして問題の中には、明らかに間違っているとしか思えない答えや、こじつけとしか思えない答え、さらには答えと全く同じ内容が書かれている箇所を指しているのに不合格になったりするものなどがあり、コアな推理ゲームファンの中には腹を立ててしまうような人もいるかも。
そうした推理に関する箇所以外にも、会話文や前置きなどで言い回しがおかしかったりチープだったりするなど、全体的に文章が甘いというのも残念。もう少しキッチリとしたテキストを読ませてほしかった。
ただそのレベルが低めのテキストなだけに、それほど高い読解力が必要にはならないので、中学生以上の国語力程度さえあれば、誰でも挑戦することができるゲームとして、成立しているのだともいえる。
移動時間の暇つぶしや適度な脳トレなどに最適のゲームだろう。