KUMORA GAMESより配信されているヘリックスホライゾンは、中国・台湾・マカオなどのアジア市場で好評を博しているスマートフォン向けRPGである。
アジア諸地域に遅れて、2017年5月26日より日本版も配信開始となったが、元々のバージョンから日本声優によるボイスが付いていたりと、日本市場への親和性が高く、大いに注目を集め、既に多くのユーザーで賑わっている。
日本のゲーム、アニメーション、声優といった文化が根付いたおかげて、こういった形の逆輸入コンテンツが出現するのであろう。
実に興味深いことである。
ストーリー
古典的な設定の上、王道的な物語が展開していく。
舞台となるのは中世ヨーロッパ風のファンタジー世界。
プレイヤーは琥珀都市ファンゼルという国の、辺境警備隊に所属する少年「アルン」を操り、様々な仲間たちと出会い、激しい戦いや大いなる陰謀を乗り越え、ファンゼルの平和を守っていく。
ガチャで入手できる仲間たちは、戦士・騎士・射手・魔法使い・聖職者と、バリエーション豊富で、戦略性のあるバトルを楽しむことができるだろう。
また「絆」システムというものがあり、設定されているユニットを所持していると、やられた際に援護参戦してくれるなどの効果が発生する。そういったこともあって、仲の良さや因縁などがあるキャラクターを集めていく楽しみも覚えることだろう。
ゲームシステム
サブシナリオやイベントシナリオなど、とにかく物語面が優れている作品。
ただそれだけではなく、森での魔物狩りや各種クエストなど、コンテンツ数も豊富。ボリューム満点の内容となっている。
序盤はとにかくメインストーリーを進めていこう。
効率良く戦闘を勝利で終えることができれば、1ステージで最大3つまで星を獲得することができる。
この星が溜まれば、素晴らしいアイテムの入った宝箱を開けることが可能。
パーティ強化のためにも、積極的に収集していこう。
ステージの前後などには、アドベンチャーパートが挿入される。
オープニングには美麗なアニメーションもついているぞ。
バトルは基本オートだが、スキル使用のタイミングなどはプレイヤーに委ねられる。
撃破するか、もしくは画面端まで追い詰めることができたらリングアウトとなり、勝利となる。
勝てない時は状況を整理して、編成を見直したり、育成したりしてみよう。
グラフィックや音楽
2Dスクロールを用いたバトルのグラフィックなどは鮮やかで、またアグレッシブな動きとド派手な演出もあって、実に迫力のある戦闘シーンを体感することができる。
またテキストの完成度が高く、穏やかで楽しい雰囲気の日常パートから、熱くシリアスなドラマ展開など、たいへん読み応えのあるシナリオとなっている。
細かいところまで入念に作り込まれた設定の数々や世界観などは、素直に素晴らしいと称賛することできる。RPG作品はストーリーを重視するユーザーも多いので、こうした点は大いに注目することができるだろう。
そして、上坂すみれや内田彩といった若手人気声優から、釘宮理恵などの海外でも大人気の超人気声優まで、キャラクターの強い個性に合わせてキャスティングされているので、アニメーション好きのユーザーなどにもオススメできるものとなっている。
総合評価
RPG好きで、とりわけストーリーやキャラクターを重視するユーザーにオススメできる作品。とにかく細かい作り込みまで入念なので、上質のファンタジーストーリーを楽しむことができるはずだ。
さらにゲームとしても、ストーリーモードだけでなく、闘技場での対人戦や、「ハイタワー」というダンジョン挑戦など、コンテンツ数が豊富で、やり応え充分。
バトルも、よくある2D構成の戦闘画面に見えて、リングアウト勝ちのシステムがあるなど斬新な点もある。
ただオートで勝ち続けられるのは序盤だけで、次第に敵が強くなっていくにつれて、しっかりと局面に合わせた対応や、スキル発動タイミングの見計らいなど、緊張感あるものになっていく。
挑むステージに合わせた編成もしっかり行っていないと、力押しでは厳しい難易度設定。見た目からは想像がつかないかもしれないが、なかなか骨太なゲームなのである。
なので、気楽に気軽に遊びたいといったライトユーザーには、ちょっと向かないところがある作品といえるだろう。