本作は、ヤクザにヤンキー、ギャングに軍人といった、様々な裏世界の荒くれ者たちを集め、パーティを組み、なんでもありの喧嘩バトルで全国制覇を目指すといった、任侠バトルRPGである。
バトルはターン制のコマンド選択式というきわめてオーソドックスな作りなので、誰にとっても簡単で、気楽に遊ぶことができるはず。
裏世界の荒くれ者だけでなく、美少女に美女といったキャラクターたちも多数登場する。プレイヤーの分身となる主人公を女に設定することも可能だ。
そうした多種多様なキャラクターに加え、様々なパーツでカスタマイズできるアバターや、もはや喧嘩の域を超えた常識外れの武器の数々など、ボリューム満点で、自由度はかなり高い作品である。
ストーリー
バトルを重ねて全国各地を次々に制圧していくというのが本作の内容であり、ゲームの流れであるが、そこに細かいストーリーやドラマなどはなく、取り立てて何の変化も展開もなく、淡々とクエストが繰り返されていくだけという、たいへん簡素なものとなっている。
よって、ストーリーを重視するようなRPGファンなどには向かない作品となってしまっているが、反対にそれは、テレビを見ながらでも気楽に適当に進めていけるというお手軽さを作り出しており、ユーザーによっては実にマッチしたゲームになることだろう。
ゲームシステム
まずはプレイヤーキャラクターの制作となる。
任侠ものであるが、女性を選択することも可能だ。
性別こそ変更はできないが、他のカスタマイズはゲーム中でも自由なので、まずは気軽に選択してしまっていいだろう。
ゲームをスタートすると、チュートリアルともいえる初めのステージに挑戦することになる。
ごくごく簡単な操作とシステムなので、ステージをクリアする頃には、ゲーム内容をほとんど把握できているはずだ。
初めのステージの前後には、アドベンチャーパートが挿入される。
進めていくと、こうした会話劇もほとんどなくなっていくが、主題は喧嘩バトルなので、あまり必要性は感じられない。
後のステージほど、サクサクとクリアしていくことができる。
バトルも簡単でスピーディー。攻撃か必殺技を繰り出すくらいしかないが、それなのにオート機能も付いており、楽々と進めることが可能。
戦いの基本は火力。強いキャラクターをガチャで手に入れ、育成し、圧倒的な力で殴る。それがこのゲームの全てである。
コンテンツ数はそれほど多くないが、対人戦やギルドなど、必要なものは全て揃えられているといった印象。
イベントステージなども多く、延々と遊び続けることが可能だ。
グラフィックや音楽
ゲームデザインもキャラクターデザインも、全体的に古びた印象が受けられ、どことなくレトロゲームのような雰囲気すらある作品。
しかしだからといって劣った作品であると評価してしまうにはあまりにも惜しい。
キャラクターデザインには題材と相まっての独特の華があり、バリエーションも豊富で、たいへん面白味もある。キャラクター集めには熱が入ることだろう。
そしてシンプルな作りだからこそ、ナビもガイドも不要で気軽に遊ぶことができる。複雑化した現代ゲームと対極に位置する作品でもあるので、こういうゲームこそ求めていた、というユーザーも多いことだろう。
総合評価
題材こそ「任侠」というインパクトの強いものであるが、ゲーム内容やシステム面、そしてゲームデザイン全体は、平凡というか、あまりにも前時代的すぎるもので、目新しさや奥深さなどは見られない。
だがそれは、誰でも簡単に理解することができ、気楽に気軽に遊べるものだということでもある。
スタミナ制もなく、好きなだけ自由に遊べる仕様になっているところなどは、大いに魅力的であるし、良い点であると評価できるだろう。
そして、ちょっとした時間の隙間や、移動中の暇つぶし、はたまた何か別のことをしながらでもポチポチ進められるこのお手軽さは、現代のゲーム環境に適合しているともいえるし、若いユーザーやライトユーザーにぴったりの作品としての価値を持たせているといってもいいはずだ。