サッカーカーニバルのプレイレビュー

山梨県の企業、株式会社ラグーより配信されている本作は、元々はＰＣゲームとして２０１１年からサービスされているコンテンツであり、シリーズ３作目として、スマートフォン向けゲームに改良されたものである。

内容はタイトルの通りサッカーシミュレーションゲーム。ただ、よくあるオーナーや監督になってチームを育成していくものではなく、プレイヤーは１人の選手となってサッカー人生を楽しむ、といった独自性の高いものとなっている。

練習や留学を繰り返し、試合に臨み、そして７つのリーグの頂点を目指して突き進んでいくのが目的だ。

ストーリー

スポーツゲームらしく、別段ストーリーは用意されていない。プレイヤーは自分の分身となるアバターキャラクターを作り、自己投影するようにサッカー人生を自由に楽しむことができるのだ。

頂点を目指す方法も人それぞれ。フレンドの作ったチームに入って共に戦うこともできるし、自分自身でチームを作り上げて唯一無二の最強を目指してもいい。

自身のアバターだけでなく、チームのエンブレムやユニフォーム、さらにはスタジアムなども自由に作ることが可能。やり込み度は高い。

「アバターの種類は１００万通り以上！」という謳い文句の通り、かなり豊富にパーツが取り揃えられている。

このようにかなり挑戦的なキャラクターも作れてしまうが、後でいくらでも変更できるので、とりあえずは気楽に作ってみよう。

アバターを作成すると、まずはざっと簡単な説明がなされる。

ゲーム内容としては簡単なものなので、すぐに理解できるかと思うが、この後にチュートリアルやナビゲートなどは用意されていないので、ここでしっかりと読み込んでいかなければならない。

まずは自分を育成していこう。育成はダーツとじゃんけんを利用した愉快な内容となっており、運に左右されてしまうものの、気楽に簡単に育成を繰り返すことができる。

育ったら、いよいよ試合に臨もう。試合はオートで進行する。育成の結果によって自分の動きは変化するので、飽きずに育成を繰り返し続けることができるだろう。

本作では育成も試合も、他プレイヤーとわいわい楽しみながらプレイできるコミュニケーションツールが充実しており、共同チーム運営などもやり易くなっている。

個人ランキングからチームランキングにと、状況が常に可視化されており、楽しみながらやり込めるようにもなっている。

豊富なアバターが魅力となっている本作だが、監督などＮＰＣのデザインもなかなか面白みがあるというか、親しみを持てるものになっている。サポートキャラである女の子もそれなりに可愛い。

グラフィックのクオリティが特別高いというわけではないが、よく作り込まれており、たいへん豊かなゲーム画面となっている。

オーナーや監督になるのではなく、１人の選手となって活動するというのは意外と珍しく、サッカーファンがいくらか新鮮な気持ちで楽しめる作品となっているのではないだろうか。

メインとなるのはすごろくとじゃんけんによる育成という内容であるが、これがなかなかやり応えがあるというか、面白みがあり、飽きが来にくい。実に簡単なので、ライトユーザーには最適なゲームでもある。

ただそれだけに、運否天賦に任せたゲーム内容はちょっと……という人には向かない。本格的な育成シミュレーションを求める人にも適さないだろう。

試合はオートで進行するため、高いゲーム性を求めるヘビーユーザーにも向かないかも。

しかしファーメーションなど戦術性はあり、決して能力値だけで勝つことはできないという作りとなっていて、育成ではなくあくまでサッカーシミュレーションゲームを楽しみたいといった人には、オススメすることができるだろう。