ケイブより配信されている本作は、ダンジョンを作って運営して冒険者からお金をとっていき、大富豪を目指すといった、一風変わったスマートフォン向け経営シミュレーションRPGである。
プレイヤーはまず「エリアマップ」にてユニットを派遣しての探索を行ってダンジョンを発見し、モンスターを退治したり捕獲したりして占領する。
次はその占領したダンジョンにモンスターを配置したり環境を整えたりして、冒険者たちを呼び寄せる。
するとやってきた冒険者たちは、同じくプレイヤーの管理する村の宿屋や武器屋などにお金を落としてくれるようになるので、また新たな探索やアップグレードのための費用を稼ぐことができるのである。
フィールド探索やモンスターとのバトルといったRPG要素と、配置や拡張といった箱庭ゲーム的な要素を合わせて楽しめるだけでなく、それぞれがたいへん奥深く、とことんやり込んでいけるように作られているので、まさしく「スルメゲーム」といえる、長い時間じっくりと遊んでいける作品となっている。
ストーリー
「科学」と「物質文明」が発達した「古代文明」が滅亡してから600年後の世界が、本作の舞台となる。
そこでは、物が歌い、ドラゴンが空を飛ぶような「精神文明」が発達しており、ファンタジー世界のごとくに変わり果てていた。
……と、設定がちょっと複雑というか、妙に捻りすぎたいような内容で、初めは戸惑うかもしれないが、やたらとテンションの高い主人公やライトなノリで、世界設定などすぐにどーでもよくなるので安心だ(?)
初めてしまえばストーリー性は薄めで、自由度の高い世界で好きなようにゲームを進めていくことができるので、ある意味で本来の「RPG」といえるものなのかもしれない。
ゲームシステム
「エリアマップ」では主にフィールド探索を行うが、ランクが上がるほどにマップが拡大していくので、これだけでもかなりのやり応えがある。
ご覧の通り、コンテンツ数も膨大。1つ1つをチェックしていくだけでもかなり時間がかかる。
ダンジョン占領に必要不可欠なモンスターとのバトルはフルオート形式なので、プレイヤーは見守ることしかできない。
なので、事前の編成や育成といった準備が勝敗を分けることになる。
占領したダンジョンは、モンスターの配置や拡張などの育成によって、魅力度などのステータスを上げることができる。
1人でも多くの冒険者にご利用いただけるよう、きちんと管理していこう。
資金に余裕がある時は、村の施設をアップグレードしていくこともお忘れなく。
村には様々な施設があり、収入を増やすことができるだけでなく、様々な開発や製作などもできる。やれることは本当に山のようにある。
グラフィックや音楽
やたらとゴチャゴチャしすぎた画面や統一感の薄いキャラクターデザイン、さらにLive2Dを使用しているわりには動きが微妙に見えてしまうグラフィックなど、全体的はクオリティはイマイチな感じ。
また膨大なコンテンツとやり込み要素があるわりには、ヘルプ機能が不足しており、チュートリアルも煩雑な作りすぎてどうにもお粗末。
ただその不親切さこそが、自分自身で攻略法を見つけ出していくことに面白さを感じられる玄人ユーザーやヘビーユーザーにオススメできる要素ともなる。やり応えや達成感はかなりある。
グラフィックも、他のゲームにない強い個性と捉えてみれば、そう悪くはないようにも思えてくるのが不思議なところ。
総合評価
とにかくやることやれることの多いゲームで、簡単には遊び尽くせない超大ボリュームな作品となっている。
相性が合ったプレイヤーは、気がついたら「時が吹っ飛んでいた」とびっくりするくらいかも。本当に時間泥棒なゲームなので、プレイするときは時間や場所によく注意した方がいいだろう。
だがそれだけに、ちょっとした時間の隙間にプレイできるようなお手軽さはない。
特に複雑なシステムは、ライトユーザーには向かないやり難さと分かり難さがある。
また作業を繰り返すことが楽しさに繋がる、ストラテジーゲームやハクスラ系ゲームを好むようなプレイヤーでないと、この作品とは合わないかもしれない。
かなりユーザーを選んでしまう作品であるが、それだけにドハマりしたプレイヤーにとっては最高のゲームとなることだろう。