『クロノスブレイド』は基本プレイ無料のスマートフォン向けRPGアプリで、3Dグラフィックによる、きわめてオーソドックスなスタイルのRPGゲームである。
何と全世界で1,000万ダウンロードを達成しており、この数字を見るだけでもある程度面白いという事が理解できる。アプリゲームの中でも特に人気が高いアプリの1つだ。
プレイヤーは様々な種族の仲間たちを集めつつ、膨大な数のステージを進み、世界征服を企む邪悪なる魔物に挑んでいく。
特徴としては、キャラクター育成システムが複雑かつ膨大であるという点が筆頭に挙げられるだろう。装備や覚醒などの定番の強化だけでなく、星座進化や宝石付与など、かなりの奥行きがある。
ストーリー
舞台は”太陽の世界“と呼ばれる場所。
そこでは人間も獣人も精霊も、それぞれの領域を侵すことなく、平和に暮らしていた。
だがある時、暗黒世界より魔神ドラキュラがやってきて、世界の生命エネルギーである「マナ」を奪い、生きとし生ける者たちを征服せんと企むのであった。
それに対し、プレイヤーである人間は、獣人や精霊、ホビットや天使たちと同盟を結び、手を取り合って立ち向かうのである。
ゲームシステム
まずはわけもわからず戦闘をただ眺めるだけのオープニングが進行する。
かなりプレイヤーを突き放したような粗雑な冒頭の作りであるが、とりあえずはチュートリアルの一部だと思って画面をしっかり眺めていよう。
活き活きと喋る主人公(プレイヤーキャラ)に対し、敵の大ボスたちがこぞって棒読みなのには赤面し悶えてしまうくらいだが、とにかく耐えきれば、あとはチュートリアルが開始されるので我慢するしかない。
『クロノスブレイド』のバトルは全てがオートで進み、プレイヤーがやれることといえば、必殺技である「ルーン」のボタンをタップして発動させるくらいである。だがこれすらもオートに切り替えることができるので、一切の操作をせずにゲームを進行できてしまうのだ。
つまりそれは、戦闘前の準備こそが肝心であり、ゲームの本質であるということでもある。
プレイヤーはキャラクターを強化し、装備を整え、進行する先にいる敵の特性に合わせて仲間を選出したり陣形を組んだりしなくてはならない。
ユニットはガチャで獲得出来る。それぞれのステータスの他には、他ユニットとの相性というものがあり、陣形の組み次第ではボーナスが発生する。
メインシナリオの数は多く、しかもハードモードが搭載されていたりと、やり込み度は高い。
もちろんその他にもダンジョンシナリオや、対人戦ができる競技場、さらに限定回数で挑戦することのできる魔王降臨、多数のプレイヤーが同時対戦するギルドバドルなど、バラエティー豊かにゲームモードが揃っている。
ボイスメッセージを送ることのできるチャット機能など、コミュニケーションツールにも力を入れているということがよくわかる。
グラフィック・CV
『クロノスブレイド』は日本市場のアプリゲームらしく、若手の人気声優の起用を大々的に押し出している。
たしかに主人公の男は「梶裕貴」、女には「佐倉綾音」、そしてナビゲーターともなる妖精には「悠木碧」と、名声も実力もあるキャストが選ばれているが、ただそれ以外のほとんどは恐らく駆け出しだと思われる声優しかおらず、演技の質の差があまりにも差がありすぎるのが気になるところ。
これだったらボイスなしにしてほしかったと思うほどである。
グラフィックはどちらかというと洋物ゲームにみられるイラストのキャラクターが多い。
というのも、『クロノスブレイド』は今回日本市場向けに移植されたものなので、やはり日本要素は少なく、日本製アプリゲームに慣れている方にとっては新鮮なのはないだろうか。
全体的にグラフィックは綺麗で、特に背景のグラフィックは美しく、本編よりも農園を育てていく方が楽しくなるくらいである。
総合評価
とにかくコンテンツが多く、ステージも多く、そして育成の奥行きや農園開発など、楽しめる要素が満載なゲームである。
しかしながら肝心のバトルが、基本的には全て自動で進み勝手に終わってしまうので、ゲーム性は薄いといわざるをえない箇所もあり、そのバランスの悪さには首を傾げてしまうだろう。
ただ、スマホゲームはやはり片手間で出来るところに魅力があり、オートプレイである程度進める事ができるのは、「ながらゲーム」が出来るという点ではうれしい限りだ。
決しておすすめしているわけではないが、要所を抑えていけば、最悪仕事中でもプレイ可能なのだ。
恐らく若年層向けに作られているゲームアプリだと思うので、まったりながらプレイをしたいという方にはおすすめですよ。