消滅都市などを手がけてきたWright Flyer Studiosが贈る本作は、多彩な武器で大量の敵を薙ぎ払い、巨大な敵を打ち砕く、スマートフォン向けアクションRPGである。
べつに、かの有名な、アーネスト・ヘミングウェイの小説『A Farewell to Arms(武器よさらば)』をゲーム化したわけではない。紛らわしいことこの上ないが、あくまでタイトルネタとして使っているだけのようだ。この、検索で引っかけにくいタイトルがよく企画会議で通ったものであるが、たしかにインパクトは絶大である。印象には残る。
また内容も、近未来の荒廃した世界を舞台にしており、なおかつ「大人の漢(おとこ)専用」という煽り文句の通り、劇画調で描かれた筋肉モリモリの男たちや、ハードコアなシナリオなど、どこまでも汗臭く、渋い。これもまた絶大なインパクトがある。
もちろん今どきのゲームであるから、適度に細めの美形もいて、可愛い女の子キャラクターもたくさん用意されている。だが、メインはあくまでマッチョたち。なんなら、女性キャラクターにもマッチョがいる。
なんとも強烈な個性があるゲームである。
ストーリー
本作の舞台は、「エニグマ」というロボットによって世界を滅ぼされてから100年後という絶望の世界。
そこに、100年前に死んだはずの男「ユウゴ」が蘇る。
ユウゴは「ロード」という特殊強化兵士で、かつてエニグマに立ち向かい、命を落としていた。
それを蘇生させたのは女技術者の「ミヅキ」
彼女は人類に残された数少ない希望として、彼らロードを復活させているのである。
変わり果てた世界に呆然とするユウゴであったが、ロボットによって処刑されようとしていた子どもを助けるために、再び力を行使する。
そして、復活したロードたちによる、ロボットから人類を救済するための激しい戦いが幕を開けるのであった。
ゲームシステム
女性キャラクターもしっかり登場するが、やはり絵面が濃い。アクが強い。
ホーム画面には、チームに編成したキャラクターが表示される。
コンテンツはメインクエストの他にも、ギルド戦などがいくつか用意されている。
メインクエストを進行すればシナリオが進行。
この他にも、高難易度のクエストも設けられており、やり込み度は高い。
ステージの前後でアドベンチャーパートが挿し込まれ、物語が展開していく。
熱い男たちによる、ハードコアなシナリオを楽しむことができるぞ。
バトルは仮想パッドを使用しての軽快な内容。
操作感も良く、手応えもしっかりあり、アクション性は高い。
キャラクターによってモーションが異なるので、自分に合ったキャラクターを探し、使用していこう。
グラフィックや音楽
グラフィックやサウンドなど、全体的にハイレベル。クオリティはかなり高い作品といえる。
とりわけアクションの鮮やかさ、豪快さ、鮮烈さが印象的。スマートフォンとは思えないほど臨場感と手応えのある「無双系アクション」を堪能することができるだろう。
メインのキャラクターデザインは、武骨な劇画調であるが、実のところ絵のタッチは様々あり、キャラクターのバリエーションも豊富。ただし、あまりにメインのインパクトが強すぎて他がかすんでしまっているような印象も。またデザインにバラツキも感じられる。1つの作品としての統一性は薄い。
また、キャラクターにはそれぞれボイスが実装されているが、学生でも使っているのか正直下手クソな声優が多すぎる。メインのキャラクターこそ、超有名声優を起用し、重みのある声と演技を聴くことができるが、その他が棒読みではかえって興醒めしてしまう。なんとも惜しい。
総合評価
見た目以上にたいへん濃い内容で、アクションゲームとしてのデキも良く、かなり満足感を覚えるゲームとなっている。たいへんな良作だ。
キャラクターデザインのバラバラ感や声優の不首尾など、やればやるほど不満点は出てきてしまうが、それでもやはり強い個性とセンスは魅力的で、それくらいはまぁいいかとスルーできてしまう。
スマートフォンでありながら、一瞬で100体の敵をぶっ倒せる爽快感は実に素晴らしく、気持ちがいい。それを洋画のアクションもののような単純明快なストーリーで彩っているのも心地好く、たしかにこれは「男の好きな世界」を作り込んでいるのだなと実感することができる。
もちろん男だけでなく、アクションゲーム好きや無双系ゲーム好きの女子にもオススメすることができる作品だ。
個性の強い作品なので、ぜひお試しでプレイして、自分に合うかどうかを確認してみてほしい。