本作は、中国・杭州のインディーズ系ゲームスタジオ「GAME DUCHY(ゲーム・ダッチー)」社が、およそ6年もの歳月をかけて開発したという作品で、同社より配信もされている。
ゲーム内容は、美少女キャラクターと巨大ロボットやメカを組み合わせた、シミュレーションRPGで、プレイヤーは好きなパイロットと戦闘兵器を自由に組み合わせて機動部隊を編成し、セミオート形式によるリアルタイムバトルで、次々と現れる世界の敵と戦っていくことになる。
多種多様なキャラクターが本作の大きな魅力の1つであるが、その獲得がガチャだけでなく、バーで好感度を上げて勧誘するなどといった独自性のあるシステムがなんとも興味深い。
ストーリー
かつて世界は「巨神」と呼ばれる十二機の装甲機兵によって火に包まれたことがある。
大戦乱の中を辛くも生き残った人類は、戦災からの復興を遂げ、やっと平和な時代を迎えつつあったが、権力者はこともあろうに「巨神」を基にした戦闘装甲機械「バトルメカ」を開発し、国家間戦争を引き起こしてしまった。
新たな混乱を迎えたこの世界で、プレイヤーは1人の傭兵として、戦場に足を踏み入れていくことになる……。
ゲームシステム
ゲームを開始すると、いきなり60体以上のキャラクターの中から「本命」を「3名」選べと、むちゃくちゃな要求をされてしまう。
そんな、まだお知り合いにもなっていないのに!
……と、冗談抜きでせめて各キャラクターの詳細や担当声優の名前くらいは見れるようにしてほしかった。本当にいきなり言われても困る。
ただ、本命といってもせいぜい好感度がプラス10された状態でゲームが開始するというだけ。あとはプレイしながら「本当の本命」を探していけばいいのだ。
基本的にはメインステージを攻略し、ストーリーを進行させていくのがメインコンテンツとなる。
ステージでは、アドベンチャーパートを挟みつつ、シナリオが展開していく。
バトルはセミオート形式。プレイヤーはスワイプで標的を指示したり、アイコンタップでスキル攻撃を発動させたりして、戦闘を優位に進めていく。
パイロットキャラクターは、スマートフォン向けゲームではすっかりおなじみの「ガチャ」で獲得可能。
キャラクターは経験値獲得でレベルを上げたり、スキンを購入して見た目を変化させたりすることができる。
機体も同様。他にもドロップする「カケラ」を集めることで入手できる。
6種類のパーツを自由に付け替えて、より攻略に適した調整を試みよう。
キャラクターは「酒場」で勧誘することもできる。
来店しているキャラクターにプレゼントをあげたり、お酒をおごったりして、好感度をアップさせ、仲間に引き入れてしまおう。
対人戦を楽しめる「アリーナ」やミニゲームなど、コンテンツ数はそこそこ多くあり、やり込むほどに楽しさが広がっていくかも。
グラフィックや音楽
グラフィックはなかなか悪くないが、メカはともかくキャラクターデザインに明らかなバラつきが見られ、統一感は薄い。
ただその豊富さはやはり魅力的。キャラクター数も機体数も膨大なので、その自由な組み合わせを楽しむだけでもかなりのやり応えを感じられるだろう。
そうしたキャラクターたちに、日本の有名声優たちによるボイスが付いているところもまた高く評価できるところだ。
小倉唯や佐倉綾音といった人気若手声優だけでなく、杉田智和やゆかなといったベテラン、さらには池田秀一などレジェンド級の声優までキャスティングされており、あらゆる世代のファンが楽しめるようになっている。
しかし、ローカライズに失敗しており、テキストに明らかな誤訳が多々見られる点はいささか残念に思う。世界通貨が「元」だったりするのは軽く流しておけばいいだろう。
総合評価
メカと美少女という基本コンセプトこそありふれたものでしかないかもしれないが、縦スクロールシューティングゲームのような見下ろしタイプのバトル画面は新鮮味があり、面白味もある。決して独自性のない作品というわけではない。
デザインにバラつきがあるからこそ、必ずお気に入りのキャラクターやメカに出会えるという幅の広さを作り出しているようにも思える。
また、セミオート形式のバトルといっても、パイロットと機体、そしてパーツの組み合わせこそが勝敗を決めるという戦略性の高さがあり、レア度の高いキャラやメカを保有しているから勝てるという安直さがなく、やりがいはなかなかにある。
ただ、ガイド機能の不足や、遊び難く感じられるゲーム設計など、この手のゲームの初心者やライトユーザーには、ちょっと厳しいものがあるか。
全体的に高めの難易度からしても、ヘビーユーザー向けのゲームともいえる。あとはとにかく、ロボットアニメ好きなどにオススメできるだろう。