LILA SOFTより配信されている本作は、EDM(エレクトリック・ダンス・ミュージック)のリズミカルでダンサブルなビートに乗ってハイウェイをひた走るという作品である。
ただ、レースゲームというわけではない。自車は縦3ラインを上方向にオートで走っており、プレイヤーは障害物を避けるために左右のスワイプで車線を変更させたり、上方向へのスワイプでジャンプさせたり、下方向で後ろからやってくる敵を攻撃するといった、いわゆる「ランゲーム(ランニング・ゲーム)」といえるジャンルのゲームなのだ。
単純な内容のゲームではあるが、とことんスタイリッシュに作り込まれた世界を駆け抜けていく感覚は独自性が高く、なかなかクセになる味わいがある。
ストーリー
荒涼とした「超現実」の世界を、孤独なドライバーが駆け抜けていく。
と、公式に書かれたストーリー、設定は、これだけ。あとは全てプレイヤーの想像の中で描かれていくものである。
ヘッドフォンを使って楽しんで、というメッセージが示すように、この作品は没入感が強く、夢を見るように感覚的にプレイしていく方が楽しめるだろう。
ステージや音楽などは数種類あり、ユニークなデザインの車もいくつか。それらをアンロックしていくのが一応の目的といえるか。
公式のアプリ紹介
ゲームシステム
ゲームは基本プレイ無料。ステージやモード、そして新しい車を解放するために必要な課金石も、ゲーム内で容易に入手できる。また広告を見ることでも得ることが可能。
基本は「プレイ」からステージクリアを目指す。
腕に自信があるならば、またかなり走り慣れてきたのであれば、ひたすら走り続けることができるチャレンジモードに挑戦してみよう。
ステージは8種類。それぞれ未来感漂う美しくも独特なデザインの世界が広がっている。
全ステージをクリアすると解放されるが、広告動画を見るだけでも解放することができる。
操作はスワイプのみ。左右で車線変更、上でジャンプ、下で後方へのビーム攻撃。
攻撃は後ろから迫りくる黒い車「エネミー」に当てる。同列に並んだ時に、タイミングよく発射しよう。
ビーム砲は、路上に散らばっている「ビート」を集めてゲージを溜めておかないと撃てない。
「エネミー」に追いつかれるとゲームオーバー。なので的確に「ビート」を集めながら走り続ける必要がある。
コンボが繋がるとグラフィックとエフェクトが変化。より音楽も強く濃くなり、盛り上がる。100コンボ以上稼ぐとブースト効果が発生し、一定時間無敵に。これがまたかなり気持ちがいい。
ステージクリアの報酬を使って、車を購入したり、パワーアップしたり、カスタマイズしたりもできる。
なかなかやり込み度も高い作品だ。
グラフィックや音楽
ランゲームに音ゲーの要素を追加したようなスタイルな作品だけに、音への拘りが半端なく、もはや快楽といえるほどのサウンドを味わうことができる。
またそうしたクールな音楽がまたステージのシンプルなビジュアルと色彩にこれ以上なく溶け合っており、走れば走るほどにゲーム世界に浸ることができる。
こうした世界観に感性が合う人であれば、最高に気持ちよく「酔う」ことができるだろう。
これはもはや「芸術作品」の1つであるともいえるゲームだ。
総合評価
単純なシステムのランゲーム。されど奥深い作りのランゲーム。
本作はきわめて独自性が高く、新鮮味を感じられる作品だ。
特にプレイヤーの感覚に直接訴えるような作りは、スマートフォン向けゲームの新たな可能性を模索しているといえなくもない。
ちょっと難易度が高く、初めはゲームバランスがきついように感じてしまうかもしれないが、慣れてくれば必ずクリアできるように調整されているし、コンティニューもスムーズにできるようになっているので、ストレスが溜まらないのは魅力的。
さらにコースクリアから次のコースへの移行がシームレスだったりと、とにかくプレイヤーのテンションを落さず、さらに上げていく仕様に徹底されており、快楽を求めて感覚的に遊べるゲームとして、これはかなりオススメすることができるように思う。
またそれでいて、車のバリエーション、グレードアップ、チャレンジモードの設定など、やり込み要素もきちんと揃っており、飽きがきにくいのも素晴らしい。
幅広い層のユーザーに、一度触れてみることをオススメしたい作品だ。