猫のニャッホは、飼い主を失った画家ネコの「ニャッホ」のためにパズルを解き、生きるためのご飯を稼ぎ、思い出のお屋敷を立て直していくといった、パズルアドベンチャーゲームである。
パズルは同じ種類のピースを3つ以上繋げていくといった、きわめてオーソドックスなマッチ3式パズルで、誰でも気軽に遊ぶことのできるものとなっている。
パズルをクリアしてタスクを完了すると、部屋がどんどん綺麗になり、家具も増えていく。よくある箱庭ゲーム的な部分はなく、完成していく屋敷は皆同じものになるが、そうした一本道な分、シナリオのボリュームが厚く、豊かな物語性を楽しむことができるようになっている。
ストーリー
大きなお屋敷で、優しいご主人様(プレイヤー)と、大好きな絵を描きながら幸せに暮らしていたネコのニャッホ。
だがその幸せは永遠のものではなく、ご主人様は病であっけなく天に召され、1人(匹?)ぼっちに……。
ネコだけでは大きなお屋敷を維持することできず、気がつけばあっという間に屋敷は荒れ果て、借金を抱え、思い出の詰まった家具も失っていく……。
やがて食うものにも困ったニャッホは、一念発起して、得意の絵でお金を稼ぐことを決意する。
そこで天国からニャッホを見守るご主人様……プレイヤーは、パズルを解いて彼のインスピレーションを刺激していくことになる。
絵が描かれ、うまく売れれば、ニャッホは生きていくためのご飯を手に入れ、失ったものを取り戻すためのお金を手にすることができるだろう。
続々と登場する個性豊かなキャラクターや、七転び八起きのストーリーはとっても魅力的。楽しみながらパズルをどんどん解いていこう。
ゲームシステム
クレイアニメと絵本のようなグラフィックによるオープニングが必見の完成度。実に美しい。
しかしご主人=プレイヤーの死や、借金まみれで餓死寸前など、見た目と裏腹になかなかハードコアな出だしではある。
とにかく初期状態はまさしく崖っぷちの状況。
お金を稼がねばニャッホも天に召されてしまう。
幸いニャッホはネコながら天才的な画家であり、絵を完成できればお金を稼ぐことができる。
だがそのためには、パズルを解いて、彼のインスピレーションを刺激し、良いアイデアを浮かばせなくてはならないのである。
ネズミのテオと力を合わせ、懸命に生き抜いていくニャッホ。
お屋敷を再興していけば、他にも様々なキャラクターたちが登場し、物語をより鮮やかに彩ってくれるだろう。
まずはとにかくタスクを完了させていくべし。
グラフィックや音楽
淡いタッチと色彩のグラフィックはたいへん温かみのあるもので、なんとも優しい気持ちにさせてくれるものである。
たくさんのキャラクターや家具、描き上げる絵のデザインはどれも素晴らしく、次はどんなものが見られるのかと、ついついプレイに熱が入ってしまうほどだ。
そしてとにかく、ニャッホの声、声優・杉田智和さんによるお芝居が素晴らしく、あらゆるシーンで心が揺り動かされる。
目と耳の両方で癒される、たいへんリラクゼーション効果のあるゲームといえるだろう。
総合評価
ゲーム内容だけを見れば、ありきたりで新鮮味のないものに思えるかもしれないが、とにかく世界観が作り込まれており、物語の完成度が高いので、良質な絵本を読んでいるかのような感覚に満たされ、物語重視のユーザーであればかなり満足度の高いものになるはず。
どこまでもあたたかな雰囲気と物語に加え、簡単操作で適度な難易度ということで、小さいお子様の知育ゲームにも最適。なかなか良い情操教育になると思える。
もちろん、大人の癒しゲームにもぴったり。綺麗にしたお屋敷で家具をタップし、ニャッホの思い出話を聞いているたけで、なんだか優しい気持ちになることができ、一日の疲れも消えていくかのよう。
また1ステージにかかる時間が少なく、コンボを繋げられた時の爽快感もあるので、ちょっとした時間の隙間にプレイするストレス解消ゲームとしてもちょういい。
様々な層のユーザーにオススメできる作品だ。