機動戦士ガンダム 即応戦線は、タイトル通り大人気アニメ作品「機動戦士ガンダム」を題材とした対戦型リアルタイムストラテジーゲームで、3分という制限時間内に自陣を守りながら敵陣を攻め落としきった方が勝利というタワーディフェンスのようなバトルを楽しむことができる作品となっている。
バトルに使用できるユニットは、もちろん「機動戦士ガンダム」に登場するモビルスーツ(二足歩行の巨大ロボット)や戦車や戦闘機といった多種多様な兵器の数々。
時間経過で蓄積するポイントを消費して、スワイプでユニットを配置すれば、あとはオートで行動し、相手のユニットや拠点などを攻撃してくれるという、ゲーム操作はきわめて簡単。
ただ常に変化し続ける戦況を見極め、的確に相応しい戦力を投入できる高い戦術性が必要となるなど、要求される能力は高め。
また事前のユニット編成が重要となるなど、カードゲームでの戦略性のような能力とセンスも求められている。
なかなかに歯応えのあるゲームといえるだろう。
ストーリー
ストーリーなどは特に用意されておらず、あくまでガンダムの世界観と登場メカを使った対人戦がメインというコンセプトである。
ガンダムを知らないユーザーはお断りともいえるかなり強気な作りであるが、世界的にも人気のあるビッグコンテンツだからこそできる思いきった作りともいえるだろう。
高レアのユニットにはボイスやカットインがあるなど、ファンにとっては充分に楽しめるゲームである。
「1年戦争」時代の、しかも地上戦を扱った作品という、かなり限定的な内容になっているが、長く続くシリーズだけあって、外伝的作品に登場する機体を合わせれば、かなり膨大な数になる。モビルスーツだけでなく、61式戦車などもの兵器も使用できるので、かなりコアなファンでも納得のいくボリュームといえるだろう。
ゲームシステム
ゲームを始めると、まずはプレイヤー名などを入力。
ここで注意しなければならないのは、この時に選択した陣営のユニットしか使用することができないという点である。
自分の好きなモビルスーツなどを思い浮かべ、慎重に選択しよう。
基本的には、敵対する陣営のユーザーとリアルタイムでガンガン対戦していくことがゲーム内容となる。
勝利すれば自陣営にポイントが加算され、情勢に変化を与えることもできるので、地球圏制覇に向けてとにかく勝利を積み重ねていこう。
バトルは1VS1の他、2VS2の兵団(ギルド)戦を楽しむことができる。
どちらも内容は同じで、自陣を防衛しつつ3分以内に敵の拠点を破壊できれば勝ちとなる。
モビルスーツや各種兵器、さらに兵士による白兵戦や空爆支援などを巧みに使い分け、勝利を目指そう。
全8枚のカード(ユニット)でデッキを作り、対戦に臨もう。
カードは強化することが可能で、素材などは時間経過で開封できるコンテナに入っている。
そしてカードは主にガチャで獲得することができる。高レアのカードさえあれば、不利な戦況を覆すことも可能となる。できれば1体くらいはほしいところ。
グラフィックや音楽
グラフィックなどはまずまずのクオリティで、ステージこそシンプルゲームといった程度の作りだが、モビルスーツや各種兵器の動きは良く、なかなか見応えはある。
ただ全体的にもっさりとした速度を感じる作りなので、3分間という1バトルの時間がやけに長く感じてしまうこともあるかも。
また高レアのユニットを入手できないとキャラクターボイスを聴くこともできなかったりと、かなり厳しめ。ファンであるほどガチャを回すための課金を要求されることとなる。
総合評価
身も蓋もないことをいってしまうと、クラッシュ・ロワイヤルをそのままガンダムにしました、という作り。このジャンル自体を好むユーザーにとっては腹立たしく感じてしまう人もいるかも。
またガンダムファンにとっても、ガチャの引力に魂を引かれた作りにはもううんざりというユーザーがおそらく多くいることだろう。
それでも数多くの作品から、マニアックなメカまでをきちんと網羅した作りは、やはり嬉しく感じられるところ。人気の「MS IGLOO」や「ポケットの中の戦争」はもちろんのこと、PS2の「ジオニックフロント」やSFCの「CROSS DIMENSION」まで活用する徹底ぶりには素直に称賛を送りたい。
せめてもう少しくらいゲームバランスが良ければ、世間の評価は大きく変わったような気もするが、ソーシャルゲームの良いところは、リリース後も改善できるという点である。今後のアップデートで、大きく化ける余地は充分に感じられる作品なので、軽々に見放すことはできない。