本作は、不良と番長、喧嘩と暴力を題材としたスマートフォン向けコマンドバトルＲＰＧで、プレイヤーは「テッペン」である最強のヤンキーを目指して、喧嘩バトルを繰り返し、舎弟（仲間）を増やし、全国を制覇していくことになる。

題材や世界観、キャラクターデザインや台詞の数々から、ヤンキー漫画好きのプレイヤーなどにオススメすることができるだろう。

バトルはオーソドックスなターン制で、舎弟５人と主人公（プレイヤーアバター）でパーティーを組み、攻撃や技のコマンドを選択して敵を攻撃していくというもの。

タップするだけの超簡単操作なので、誰でも気軽に遊ぶことができる。普段ＲＰＧなどには触れないライトユーザーにもオススメできる作品だ。

ストーリー

主人公（プレイヤー）は、かつて伝説のヤンキーといわれた「アニキ」から、喧嘩のやり方や舎弟の集め方を教わり、最強の称号を獲得しようと目論んでいる。

物語は東京の練馬駅前から始まる。駅前を制圧し、練馬区を、その次の区を、そして都内全域を支配するようになるまでが、メインストーリー第１部「東京奪還戦」となる。

そこからはさらに全国へと勢力を広げていき、やがては全国制覇へと辿り着くことだろう。

その中で舎弟になるのはヤンキーだけではない。マフィアやギャング、さらに美少女からゆるキャラまで、あらゆる「ヤバい奴ら」がプレイヤーの旗の元に集うことになる。

そんな連中で好きなようにパーティを組み、自分だけの最強軍団を作り上げていこう。

ゲームシステム

まずはチュートリアルとなるが、その前に性別を決定したり、名前を入力したりすることになる。

そう、本作はヤンキー作品であるが、女性を選択することもできるのである。

あえて男ではなく、最強ギャルを目指すというのもアリだろう。

性別は後で変更することができないが、アバターのカスタマイズは自由自在。様々に見た目を変更していくことが可能だ。

メインとなるコンテンツは、ストーリーを進めていくステージ形式の「制圧」というもの。

とにかく全ての敵をぶっ倒していき、最奥にいるボスキャラを倒せばクリアとなる。

技は強力だが、黄色ゲージで表示されている「闘魂」を消費する。ボス戦などに温存しておく方がいいだろう。

ステージ攻略などに連れていける舎弟（仲間）は、バトルの報酬やガチャで獲得することができる。

バトルにおける経験値獲得や合成でレベルアップさせていくなど、ごくごく基本的な育成要素もある。

限界突破などの際には新技を閃くこともあるので、どんどん鍛えあげていこう。

またガチャでは装備品も入手できる。装備品はプレイヤーキャラクターにだけ装備させることができ、様々な技を使えるようにしてくれる。

「制圧」の他には「喧嘩祭り」や「ボンタン狩り」など、各種イベントコンテンツも用意されている。

他プレイヤーとのタイマンバトルが楽しめる「闘技場」という対人戦があるだけでなく、ダンジョン攻略となる「デスマッチ」などもあり、なかなかボリュームのある内容。

グラフィックや音楽

グラフィックは平凡……というか、全体的にガラケーアプリ時代を思わせるやたら古臭い作りで、正直チープに思えてしまう。

だがそれは、作品の世界観やテーマ、そのコンセプトとは完全に適合しており、かえって妙な味を出しているともいえる。これからこそ良いのだ、ともいえてしまうだろう。

アバターデザインやキャラクターの豊富さと幅広さは素直に称賛したい。またそのデザインがみなたいへん良く、魅力的。男はカッコよく、女は可愛く美しく、ユニークなキャラはとことん面白い。

絵の１枚１枚のクオリティが高いので、仲間集めというスマートフォン向けＲＰＧらしいも内容も、価値のあるゲーム性となることだろう。

総合評価

ヤンキー漫画好きなどの特定層に向けられた作品だが、意外にもアクティブユーザー数は多く、朝夕の通勤時間などを中心になかなかの人数でチャットなどがにぎわっている。片手で全てが操作できるというお手軽さも要因の１つであろうが、それ以上にヤンキー漫画全盛期を経験してきた３０代以上の社会人などに内容が響いているのかもしれない。

とにかく気楽に楽しめるライトＲＰＧなので、世界観や設定に抵抗がないならば、まずはぜひ、お試しあれ。