三国武神は、タイトルから察せる通り、三国志を題材とした作品である。
ゲームジャンルはRPGで、プレイヤーは好きな武将を組み合わせてパーティを作り、様々な戦いに挑んでいく。
と、これだけ聞くと、もうやる前から飽きたと口にする人もいるかもしれないが、本作は最近の三国志作品と異なり、トンデモ設定や、必要以上に改変されたキャラクターなどはおらず、きわめて史実や演義に忠実な作りとなっているので、かえって新鮮味が生まれているといってもいいかも。
史実を活かした設定や条件など、たいへん作り込みが細かいので、三国志ファンであるほどに楽しめることだろう。
使用できるキャラクターが300人以上というのも魅力的。有名武将だけでなく、マニアも唸るマニアック武将まで揃っており、これもまたファンを熱狂させてくれる材料となっている。
ストーリー
攻略していくメインストーリーは、史実や演義に沿った王道の流れで、数々の有名な戦役や戦場を舞台にしたステージに挑んでいくことになる。
主人公はオリジナルで、プレイヤーを投影したような描かれ方をしており、冒頭のシナリオこそメタ発言などのテキストが見えるが、程なくして戦略シミュレーションゲームような空気となり、自由な想像の元でゲームを進めていくことができるようになる。
バトルこそオート進行であるが、事前の計略設定や直前の陣形展開など、軍師気分を存分に味わうことができるだろう。
ゲームシステム
序盤はやや長めのチュートリアル。ナビゲート通りに操作し、ゲーム内容と操作方法を理解していこう。
まずは、三国志ファンにはすっかりお馴染みの「黄巾の乱」に挑むことになる。
バトルはセミオート形式。リアルタイムで進行していく戦場で、適時スキルを発動させ、自軍を勝利に導こう。
カード(武将)の強弱だけでなく、事前の部隊編成と計略の設定、そして陣形の展開によって、不利を覆すことも可能。実に歯応えのある内容だ。
武将はクリア報酬やガチャなどで入手できる。それぞれに特性や兵種が設定されているだけでなく、他武将との相性や絆などの設定もあり、編成だけでもかなり奥深いものとなっている。
コンテンツ数は多く、プレイヤーレベルが上がるほどにどんどんやれることが増えていく。
対人戦やレイドボス戦、ダンジョンにイベントステージなど、やり込み要素も満点といえるボリュームだ。
グラフィックや音楽
キャラクターデザインは、アジア系の実写歴史映画を思わせるものだが、美形だけでなく、オジサマや老人、マダムにマッチョと、かなりマニアックな造形までズラリと取り揃えられている。よくありがちな美形デザインや萌えデザインに飽きた人や、あまり好きではないという人には、心惹かれるものがあるかもしれない。
バトルは基本的には遠くから戦場を見下ろすようなカメラビューになっており、迫力にはいささか乏しいところがあるが、後方からひたすら戦況を眺めているような感覚は、かえってリアリズムを感じられるというか、臨場感を覚えることができるともいえるだろう。
総合評価
題材も内容も今更感の漂うものであるが、しかし実際にプレイしてみると、計略というシステムの面白さが半端なく、セミオート形式のバトルでありながら、なかなか熱中できてしまう。
相手の動きに合わせて、戦況を有利にできる兵科を投入したり、計略を発動させて一気に状況を覆すことができるなど、爽快感も達成感も味わえる設計は本当に魅力的なものだ。
また絆システムという、同じ国だったり因縁があったりする武将を同士を組み合わせると、部隊の能力が大幅に上昇する設定も、たいへん興味深いものがある。三国志という題材が好きなほどに楽しめるシステムといえるだろう。
中国史や三国志の世界が好きなユーザーには、強くオススメできる作品だ。