「ブレーズ・オブ・ブリム」と読むこの作品は、剣を手にしたヒーローキャラクターたちが、ステージを駆け抜けながら敵をバッサバサと斬り倒していくといったランニングアクションゲームである。
上下左右のスワイプだけで様々に繰り出すことのできる攻撃は、どれもダイナミックで爽快感に溢れ、ランニングゲームのスピード感に合った強烈な手応えを感じさせてくれるだろう。
さらに召喚獣やクエスト攻略によるレベルアップなど、RPGとしての要素もあり、やり込み度もなかなかに高いといえる。
大いに注目したいゲームだ。
ストーリー
物語は、侵略者から世界を救うために英雄たちが戦うといった、これ以上なく王道なものである。
「悪い奴をこらしめてやろう!」などと、テキストは小さなお子様にも通じる、優しい絵本調のもの。全体的な陽気でファンシーな雰囲気が漂っている。
ゲームシステム
まずはチュートリアル。これが実に丁寧で分かり易く、このチュートリアルが終わるころには、問題なくゲーム内容を理解し、馴染めているはずだ。
キャラクターは常にオートで走り続けていて、プレイヤーは行き先にいるモンスターや障害物に合わせてスワイプし、撃退したり避けたりしていく。
ライフがなくなったり、コースから落下するなどするとゲームオーバーになってしまうが、壁走りなどもできるなど、キャラクターの動きは豪快で面白く、ついつい大胆なプレイをしてしまいがちだ。
だがそうして積極的に敵を倒していった方が、強化に必要なコインを入手できるし、討伐クエストなどを達成すればレベルが上がったりもするので、結果的に攻略は楽になっていく。
キャラクター数も多く、育成要素もかなりあるといえる作品だ。
攻撃力やスキル、そして見た目を変化させることができる装備品の収集という楽しみもある。
レベル上げのクエストだけでなく、トロフィーを集めるミッションまで設定されている。やり込み要素も充分にあるといえるだろう。
BGM・グラフィック
美麗や高品質とまではいかないものの、グラフィックやサウンドなど、あらゆる面が丁寧に作られていて、全体的な印象はなかなか良い。
CGの粗い部分を、絵本的ファンシーな雰囲気に折り合うよう、演出の1つとして組み込んでいるようなところもあり、上手い作りだと感心できる。
文字の大きさや画面の見易さ、メニューの分かり易さなど、低年齢のプレイヤーも存分に楽しめるゲームデザインは、高く評価することができるだろう。
武器やヒーローが乗るペットのデザインなど、種類が豊富なだけでなく、それぞれがたいへん素晴らしく、これもまた本作の大きな魅力の1つになっているといえる。
キャラクターデザインは、目が大きめのいかにも欧米的なデザイン。これは日本人には合わないと感じる人もけっこういそうな気が。ただこれもまた数が多く、キャラクター集めの楽しみもある。
総合評価
縦スクロールのランニングゲームは多々あれど、ここまで「敵に攻撃する」というアクションに重きを置いた作品はないと思う。とにかくスワイプ1つで繰り出せるアクションの数々がド派手で、演出やエフェクトの効果もあいまって、決まった時の爽快感がかなり感じられるのである。これは1度プレイしてみる価値は大いにあるといえるだろう。
ゲームとしては、小さな子供でも楽しめるようなデザインと細やかな配慮で作り込まれていることもあって、骨太な内容を求めるヘビーユーザーにはちょっと向かないかも。
ただそれでも、レベル上げやアイテム収集など、やり込み要素もコレクション要素も充分にあり、決して子どもやライトユーザーにしか楽しめないなどといったものではない。
基本プレイ無料で、しかもスタミナ制もなく、いつまでもプレイし続けていられるという、たいへん良心的で良質なゲームでもあるので、まずは合うかどうかお試しでダウンロードしても損はないはずだ。