本作はタイトルの通り、日本代表の監督となって世界最強を目指す、サッカーシミュレーションゲームである。
日本代表のオフィシャルライセンスを取得した作品だけあって、登録されている実在実名の選手をチームメンバーとして使用できるなど、代表サッカーフォンにはたまらない内容になっている。
ただし、選手には31歳をピークに、あとは能力が衰えていくといった厳しいシステムが搭載されているなど、かなりガチな設計。
時にはトレードや引退など、心を鬼にして采配を振るわなければならない、本格シミュレーションゲームなのである。
なお、試合画面は選手カードがフィールドを動き回りボールを蹴るという、かなりシュールでチープなものになっているので、グラフィック面などはあまり期待してはいけない。
ストーリー
サッカー日本代表に選ばれたプレイヤーは、まず記者会見に臨むことに。
そこでは新しいチームの方向性を定める名称を決め、期待の選手を発表し、日本を優勝に導くと高らかに宣言することになる。
押し寄せた報道陣によるフラッシュの嵐を浴びながら、ここに新たなゲームの幕が上がるのであった。
公式のアプリ紹介
ゲームシステム
まずは記者会見からゲームはスタート。ここでチーム名……よくある○○ジャパンなどといった名称を発表することになる。
初めはチュートリアル。与えられたカードでチームを編成し、練習試合に臨もう。
お気に入りの選手をエースとして発表すると、その選手のモチベーションが上がり、ステータスも上昇。チームに大いに貢献してくれようになる。
ゲームモードは、主にCPU戦の「サムライモード」と、他プレイヤーと選手を出し合ってチームを結成して、他のチームと対戦するといった「ギルドモード」がある。
これらの試合は現実の日時とリンクしており、決められた時間内のみで行われる。
その時間がくるまでは、ひたすら選手を鍛え上げ、準備をして待つだけだ。
かなりシュールな画面で繰り広げられる試合は、早送りやスキップも可能。
試合における活躍の度合いによって評価が決定。
獲得した報酬で選手に合成という名の特訓を施したり、スキルやフォーメーションなどの設定を見直そう。
選手がガチャで入手できる。自分の好きな選手と出会うには、ひたすら回し続けるしかない。
グラフィックや音楽
実写取り込み式の選手カードなど、完全に日本代表ファン向けに作られた内容。
それ以外のグラフィックなどは、正直10年前のゲーム以下といったところ。フィールドや客席などの背景は粗雑で、シンプルゲームレベルの低クオリティ。
またリアルなCGによる試合画面が当たり前の昨今、カードとボールのみで全てを表現した試合画面は、はっきりいって酷い。
ただあまりのシュールさに、一周回って味のようなものをじわじわ感じてしまう。ネタ画像としてはなかなかに価値がある。
メニュー画面などの作りはオーソドックスで見易いが、使い方がどうにも分かり難いのがマイナス。せっかくのチュートリアルもあまり懇切丁寧ではない。
総合評価
一瞬、ネタゲーかバカゲーかと思ってしまうほど、試合画面のインパクトが強すぎて、全てを持っていってしまう。
実際、ゲームとしての作りも甘く、シミュレーションゲームなのに操作性も悪く、全体的に低クオリティ。
だが、選手の引退時期までが設定されている骨太なシステムや、特定の選手を報道陣にエースとして紹介することでモチベーションが高まるシステムなど、実に興味深い要素も多く見られる。
「本格さ」のベクトルが、どうにも他の作品と違うところへと向かっており、強い独自性となって成立しているように思うのだ。
オフィシャルライセンス作品ということで、選手データが常に最新という点も嬉しい。
本作は、サッカーファン、その中でも代表戦ファンこそが楽しめるように特化したゲームなのである。
「あなたの日本代表チーム」で、未だ果たせない世界一の夢を実現させよう!