株式会社バンダイナムコゲームスより配信されている『HUNTER×HUNTER バトルオールスターズ』は、大人気漫画「HUNTER×HUNTER」を題材とした作品で、ジャンルはRPGである。
プレイヤーはミッションやスカウトを通じて仲間を集めながら、敵味方や登場時期を超えた夢のオールスターパーティを自由に編成し、様々な大冒険を繰り広げ、トリプルハンターの称号を目指すのだ。
スワイプしてユニットに支持を与えていくだけというシンプルな操作なので、誰でも気軽に作品世界を楽しめることだろう。
ストーリー
「HUNTER×HUNTER」は未だ長い休載を挟みつつ連載の続いている作品……物語が進めば進むほど作者である冨樫義博が持つ独特のエグ味が濃くなり、週刊少年誌でありながらも残虐で残酷な描写が増えていったが、本作のメインシナリオではそういったハードコアな部分は丁寧に調理され、本来の対象である子どもにも安心して見せられる、王道バトルものとしてアレンジされている。
プレイヤーは原作キャラクターの持つ特性や個性が活かされた能力や固有スキルを駆使し、コンボを繋いだり逆転の必殺技を繰り出したりと、多彩で面白味のあるバトルを繰り広げられることだろう。
育成要素も充実しているので、原作ではちょっと活躍ができなかったキャラクターでも、愛さえあれば強化を重ね、原作では相手にもならなかった強敵相手にでも立ち向かえるようになるだろう。そういった点では、ファンにとってはかなり楽しめる作品なのである。
ゲームシステム
『HUNTER×HUNTER バトルオールスターズ』では、プレイヤーは好きなキャラクターを好きなように組み合わせてパーティーを編成することができる。
キャラクターには近距離攻撃タイプの「ファイター」に、遠距離特化の「スナイパー」や回復担当の「ヒーラー」など、様々なタイプが設定されている。
ステージ攻略や自分の趣味に合わせてキャラクターを入れ替えたりと、戦略を練っていこう。
ミッションは原作のストーリーをほんのりなぞりながら進んでいく。ただ、ハンター試験編とグリードアイランド編のキャラクターが入り混じっていたりと、独自性の高いシナリオとなっている。
メインシナリオの他にも、トレジャーハンターなどのコンテンツも用意されている。イベントシナリオなども追加されたりするので、ファンなら外伝やif話として、より楽しむことができるかも。
人気の天空闘技場も、もちろん用意されている。勝ち上がっていくと特別な報酬を得ることもできるので、メインシナリオ攻略以上に熱中してしまうかも。
総合評価
デザイン・BGM
グラフィックはまずまずといったところ。特別に良いというわけではないが、悪くもない。それは音楽や効果音に関しても同様で、残念ながら取り立てて称賛できるところが見つからない。
ただバトル画面の大乱闘感や、必殺技のエフェクトなどはなかなかに評価できる。
配信開始から2年以上経つが、きちんと新カードが配信されたり、コラボカードが作られたりもしているので、連載再開を望むファンにとっては慰めとなる作品になるだろう。
感想
全体的にクオリティはそこそこの域でしかない。RPG作品としてイマイチとしか言い様がなく、またグラフィイクや音声の貧弱さからキャラクターゲームとしてもそれほど完成度が高いとは言い難いものがある。
ただそれでも、キャラクターがバトルで見せてくれる動きや、個性を最大限に活かした性能の設定など、かなりの原作への愛情を感じ取ることができ、単純に凡作として切り捨てることなどできない。
とりわけ原作を殺さないギリギリのラインで、小さなお子さんでも冒険と熱闘バトルを楽しめるようにストーリーをマイルドにアレンジしているところなど、かなり高く評価することができるのではないだろうか。
たしかに、やることも限られていて難易度もそれほど高くないために、RPG作品としては微妙な面白さしか感じられないかもしれないが、スマートフォンという環境をよくよく考えてくれた単純かつ爽快なシステムや、倍速バトルなどのユーザーフレンドリーな設計など、細やかな気配りが見えるのも好感度上昇の要因となるだろう。
原作を待つ間に、ちょっと触れてみるには程好いゲームなのではないだろうか。
口コミと評判
筆者としては、『HUNTER×HUNTER バトルオールスターズ』をプレイして大きな満足感は得られなかったが、原作の連載ペースが遅く、ハンターハンターに触れる事が出来る機会が少ないという事もあり、やはり原作ファンにとっては貴重なゲームアプリになっているようだ。
全体としてみると「3.8点」と決して高くはない評価数値だが、現在では不具合もなくゲームを満喫しているプレイヤーが多いように思える。
まだまだ起動できないなどのエラーもありますが(OSバージョンに問題がありそう)、原作ファン、冨樫ファンであれば一度はプレイする価値はある!