本作はロシア発のオンラインロボットアクションゲームで、武骨なデザインの巨大ロボット兵器を自由自在に操作し、６ＶＳ６の戦場を駆け巡るといった内容の作品である。

その戦場の臨場感、ロボットの重厚感、美麗な３Ｄで描かれたグラフィック、さらにやり応えのある操作性、ロボットや兵装の多種多様さとカスタマイズの自由度の高さ、などなど、とても無料のスマートフォン向けゲームとは思えないほどの高クオリティだ。

ロボット好き、メカ好き、対戦ゲーム好き、ＦＰＳ好き……といった、歯応えのあるゲームを楽しめるゲーマーたちにオススメできるだろう。

ストーリー

ストーリー……はＳＦ作品？らしく細々と意されているのかもしれないが、ホームページを見てもロシア語なのでよくわからなかった。

ゲーム内には一切説明らしきものもなく、始めた瞬間、プレイヤーは独り格納庫にいて、たった１機の性能の低いロボットだけが目の前にある、といった次第である。

いくら待っても、ストーリーどころか、チュートリアルすら始まることはない。可愛い女の子のナビゲーター？　ここはロシアだぞ？　甘えるな！……と叱咤されたような気がして、身が引き締まる思いである。

とにもかくにも、戦場に出てみるしかない。そうしなければゲームは進まないからだ。

バトル、というボタンをタップして、戦場へと躍り出る。

するとそこには、自分と同じようにして戦場へとやってきた５人の仲間たちがいた。肩を並べ、遠く見た先には６機のロボット。これが敵。彼ら、あるいは彼女らが、これから自分たちが倒すべき、敵なのだ。

そして我々は、世界のどこかでスマートフォンをタップする我々１２人は、５つのビーコンを奪い合う、熾烈な戦いを繰り広げるのだった。

ゲームシステム

ゲームを開始した時点では、ロボットは１体しか用意されていないが、バトルに挑み、そこで得た報酬を消費することで、新しい機体を手に入れることができる。

さらに兵装の追加、換装、強化など様々なカスタマイズも可能で、自分のプレイスタイルや好みに合わせたロボットを自由に作り上げることができる。

機体や兵装は多種多様に揃っており、攻撃力に特化したもの、機動力の高いもの、中には超個性的なものまである。

また格納庫のアップグレードも可能で、これにより格納庫のスロットが増えると、戦闘に投入できる機体数を増やしたりすることもできる。

そう、本作ではロボットを破壊されても、スロットにある別機体に乗り換えて再出撃することが可能なのだ。

バトル画面。自分たちのチームは青で表示され、敵チームは赤で表示される。

まずは白い光の柱……未制圧のビーコンに接近しよう。接近すれば自動的に制圧となり、自軍の青色に変化する。

敵が制圧したビーコンは当然赤色に変化。そこに接近すると白に戻すことができ、さらに自軍の青に染め直すこともできる。

本作では敵を倒す以上に、ビーコン制圧による陣地の確保が重要となっており、フィールドの５つのビーコンの内、半分以上を制圧することができれば、敵の戦力ゲージを減少させることができる。

戦力ゲージを０にできれば勝利となるので、積極的にビーコンを狙っていきたい。

とにかくバトルは全て対人戦なので、敵の強さも味方の強さもバトルの度に変化するだろう。よって運悪く、強すぎる敵と遭遇してしまった時は、無理に戦わずに、ビーコン奪取に専念するなどといった、戦術変更も必要となるのだ。

新機体の購入や強化は、課金によって行うこともできる。だが時間をかければ、無課金でも充分に強いロボットを作ることができるだろう。

バトルを積み重ねていけば、プレイヤーレベルも上昇する。上がれば新しい機体や兵装がアンロックされていくというシステムなので、それは課金だけで強くなることができないということも意味しているのだ。

グラフィックやBGM

ロボ好きメカニック好きの心を擽る武骨なデザインの巨大ロボット兵器が、関節部位に至るまで細かく丁寧に描き込まれており、しかもそれが重厚感を覚える素晴らしい動きを見せてくれる。兵装に至っては薬莢の飛び散る様までしっかりと描いており、スマートフォンの小さな画面とは思えないほどの臨場感に溢れている。

さらに効果音がまた実に素晴らしく、弾丸やミサイルの飛ぶ音、回転する砲身の音、ロボットの足音、金属の擦れ合う音、などといった音が生々しく響き渡り、更なるリアリティを与えてくれるのだった。

これはもはや無料のゲームのクオリティではない。超高品質の作品である。

総合評価

面白い。その一言に尽きる。気が付けばあと１回１回と、バトルを続けてしまっていた。本作は時間泥棒といえる傑作である。

……というのも、わたしがロボット好き、ＦＰＳ好きだからであろう。

だが一呼吸置いて、冷静に客観的に分析したとしても、評価はそれほど変わらない。無料でありながらの超高クオリティ、スタミナ制などのプレイ制限が一切ない仕様、豊富なカスタマイズ、無課金でも努力次第で強化できるロボット、そして何よりも、スマートフォンという環境でありながら、ほとんどラグもなく、急に落ちるようなこともないといった点は、優秀なゲームとして称賛する他ない。

難点といえば、４連続でバトルした辺りで、スマートフォンが熱くて持てなくなってしまうことくらいか。たしかにＣＰＵにはかなり負荷がかかってそう。それでもラグが発生しにくいのは、おそらくロボットの動きがゆっくりだからなのではないだろうか。普通なら操作性の悪さ、速度の遅さというストレスになってしまうのだが、それをまた「巨大ロボット感」として演出の１つに処理し、重厚感へと転化させている点なども、高く評価することができるだろう。

まだまだコンテンツが少ないかもしれないが、頻繁にアップデートも繰り返されているので、今後の展開からも目が離せない作品である。