ひたすら画面をタップして敵を倒していくクリッカーゲームの続編。前作は全世界で1300万人以上が遊んだと記録されており、それに応えて大幅なパワーアップが施されている。
基本的には、敵を倒し、お金を稼ぎ、そのお金で勇者を強化し、スキルを習得し、仲間を召喚し、その仲間も強化し、そしてさらにまた敵を倒していく、といった流れはそのままだが、今作からはお助けキャラクターである「ペット」の追加や、他プレイヤーとチームを組める「クラン」の機能が実装されている。
より熱い勇者活動が楽しめる作品になっているぞ。
ストーリー
物語も前作と雰囲気は変わらず、コテコテの王道ファンタジー。前作で倒した邪悪なタイタン(巨人)たちが復活したのでまた倒そうという、きわめてシンプルなものだ。
しかし今作からは新たに、物語を説明するテキストやイラストの挿入などが追加されており、ゲーム内でも物語を楽しめるようになった。
また仲間キャラクターの1人1人の細かい設定がサブテキストでしっかりと補完されており、より深く作品世界に入り込めるように大幅改良されている。
こうした点から、クリッカーゲームというよりは、RPGにさらに近づいたといった印象を受けた。
公式のアプリ紹介
危険度を増したタイタンの軍団がまたしても侵略を開始。世界を守るために、ソードマスターの戦いが続きます。新たな強化方法でソードマスターを成長させ、強くなる一方のタイタンに打ち勝ちましょう。タイタンが復活した今、剣を手に旅立つときがやってきたのです!
◆ 特徴 ◆
๏ 本格RPGを好きな場所で楽しもう
๏ 攻撃手段はタップ。手書きによる10種の美麗ステージで、新登場のタイタン120体と戦おう
๏ ヒーローや忠実なペットを仲間にして、共にタイタンの襲撃を迎え撃とう
๏ 個性的なスキルをアンロックしてキャラを強化し、自分が望むプレイスタイルに
๏ プレステージを実行して進捗をリセットする代わりに、強力なアーティファクトやタレントを獲得
๏ 装備品を集め、自分のプレイスタイルに合わせてヒーローの外見や強さをカスタマイズ
๏ クランの作成や加入を通じ、他のプレイヤーと協力して圧倒的な力を持つタイタンロードを倒そう
๏ グローバルトーナメントで世界中のプレイヤーと競い合い、実力を示すとともに豪華な賞品を手に入れよう
ゲームシステム
プレイヤーがやることは、まずはひたすらタップして敵を倒していくこと。
そうしていると報酬のコインが溜まるので、今度はメニュー画面を開き、勇者を強化しよう。そうすれば1タップのダメージ量が増加する。巨大モンスターを指先ひとつでダウンさせることができるようになるだろう。
前作と同じで、敵は一切こちらに攻撃してこない。安心安全なモンスター討伐を楽しむことができる。
コインを消費すれば仲間を召喚することもできる。
呼び出した仲間はオートで攻撃してくれるので、もはやタップすらせずに敵を倒すこともできるようになるだろう。
仲間はさらに数も増え、より個性的になり、世界観がますます濃くなっている。
またステージを進めていけば、ペットもパーティに加わるようになる。ペットは勇者と同じで周回を繰り返して鍛え上げていくことができるので、育てていけば何よりも強力な存在となる。
10体モンスターを倒したら出現するボスモンスターは、倒すのに時間制限があり、勇者とパーティを強化していないと時間内に退治することは難しい。
達成できなかった場合は、右上の「バトルから離脱」ボタンを押そう。そうすると、そのステージの雑魚戦を延々とループできるようになるので、好きなだけレベル上げをすることが可能なのだ。
仲間を増やし、強化し、再び強大なボス戦に挑んでいこう。
グラフィックやBGM
グラフィックなど、全体的に大幅なパワーアップが施されている。ぱっと見はわからないかもしれないが、モーションがさらに細かくなり、より複雑かつ豪快な動きを見せているし、変化も増加した。
さらに前作で乏しく感じられたエフェクト面の強化が著しく、敵を倒した時の爽快感と達成感がかなり強くなったように思う。
また今作からはカットインなどの演出面も追加されている。クオリティが倍以上に上がっているような印象を受けることができた。
総合評価
あくまでも単純なクリッカーゲームにすぎなかった前作から、明らかにRPGというジャンルに進化しているように感じられるアップデートぶりであった。
正直2といっても大した変化がないだろう、などと侮っていたが、まさかこれほどしっかり作り込んでくるとは思わなかった。とにかく全体的にクオリティが上がっており、味わいが増している。
クランという新機能による協力戦や対人戦という要素がはたしてこの作品に必要だったのかは、賛否両論に分かれるところかもしれないが、システム面も進化させていこうという作り手の気概も感じられるので、その意気や良しと褒めたくなる。
ただ要素を加えすぎたことにより、転生という「強くてニューゲーム」の状態に入れるまでの道のりが前作より遥かに遠くなっているなど、明らかなゲームバランスの悪化も見受けられる。
またスキルの使用が各1回使用制から、マナポイント消費制に変更されてしまった点などもあまりよろしくない。これでは1部の最重要なスキルしか使用することがなくなり、せっかく増やしたバリエーションが全く活かせなくなってしまっている。
そういったマイナス面により、全体的にテンポが悪くなってしまったように感じられる。最初の1周目まではいくらか忍耐力が必要となることだろう。
しかし周回を重ねていけば、元のテンポと単純明快爽快感を取り戻すことができるようになる。やり込めばやり込むほど、このゲームは面白くなっていく。
シンプルゲームであるが、実際はヘビーユーザー向けのやり込みゲームへと変化した、というのが総論だろうか。前作の感覚そのままを求めるユーザーには、ちょっとガッカリだったかもしれない。