2017年7月より放送している、スパイ少女たちの活躍を描いたアニメ『プリンセス・プリンシパル』……そのメディアミックス展開の1つとして作られたスマートフォン向けゲームが、本作『GAME OF MISSION』である。
ただゲームジャンルと内容が、アニメ本編からはあまりにもかけ離れたアクションパズルRPGということもあって、配信開始からずっと賛否両論が入り乱れている。
予想のつかない展開と、シリアスかつシビアなドラマが描かれたアニメ作品を元とするだけに、かなりの反発が生まれてしまうのも無理はないことだろう。
キャラクターゲームとして割り切ることができれば、ゲーム限定の可愛い衣装を着たキャラクターたちの姿を楽しみつつ、簡単操作のパズルゲームを気軽に楽しむことができるはず。
ストーリー
物語は、アニメ版と同じく19世紀末のロンドンを舞台にして描かれている。
ロンドンといっても、現実のロンドンとは異なり、アルビオン王国という架空の王国の首都として設定されており、異なる歴史、異なる文明が発展したパラレルワールドとなっている。
プレイヤー(主人公)は「共和国側」のスパイ組織「コントロール」に、新たに配属された新米スパイ。
そこで彼は、ゲームオリジナルの様々なスパイ、そしてアニメに登場するキャラクターたちとチームを組み、数々のミッションに挑んでいくこととなる。
ゲームシステム
コンテンツ数は少なく、ミッションをひたすら進めていくのが基本となる。
なお、ホーム画面では、パーティに編成したキャラクターの台詞を見聴きすることもできる。
ステージの前後では、アドベンチャーパートが挿入されることもある。
ゲームオリジナルのキャラクターたちも物語に深く関わってくる独自展開となるので、アニメ版とはまた違った楽しみを得ることができるだろう。
ゲームはアクションパズルRPGという形式。
同じ色のパネルをなぞって主人公を移動させ、出現している敵の隣を通らせて攻撃する。
パネルを繋げれば繋げるほど強力な攻撃となる。1回で15パネル以上を繋げることができれば、パーティ全員での協力攻撃を繰り出すことも可能だ。
イベントステージなどが頻繁に更新されるので、なるべくスケジュールのチェックをしておいた方がいいだろう。
アイテムやキャラクターを求め、難関ステージにチャレンジしてみよう。
グラフィックや音楽
パズル画面の作りやグラフィックが甘く、アドベンチャーパートでは粗雑なテキストが目につくなど、お世辞にもクオリティは高いとはいえない。
ただキャラクターデザインはどれも素晴らしく、主人公のデザインも含めてどれもたいへん素晴らしい。ゲームオリジナルキャラクターに簡単ながら付けられている設定も魅力的で、このまま消費されるだけなのは惜しいと思うばかりだ。
またテレビアニメ版のキャラクターたちには、ゲーム化に際し新たに描き下ろされたオリジナル衣装の数々があり、たいへん美しい姿となってプレイヤーたちの目を潤してくれる。アニメファンもこの点には満足できるはずだ。
総合評価
前述にもあるように、キャラクターゲームとしてならば、そう悪くはないと評価できる作品。
RPGとして見ても、育成や素材集めなど、なかなかやり込み要素があるので、やり応えはあるように思う。
ただパズルゲームとして考えると、オリジナリティの薄さやテンポの悪さなどがあり、とてもあまり良いゲームとは評価することができないだろう。
ゲームバランスも悪く、一部イベントステージなどでは明らかな難易度調整ミスなどが見受けられたりするなど、全体的に甘い作りといった印象を抱いてしまう。
それでもアニメ版のあまりの面白さから、ゲームにも流れてくるユーザーはまだまだ増え続けている。こうしたユーザーをアクティブユーザーとして留めるには、修整以上に、コンテンツ拡大などの何か大きな工夫が必要となるだろう。
大元のアニメ作品は本当に素晴らしいので、どうにかこのゲーム版も、プレイし続けられる魅力あるものに成長していってほしいものだ。