本作は欧州の戦争を描くシリーズの1作で、この4ではタイトルの通り「ナポレオン戦争」を中心とした1800年代の時期が舞台設定となっている。
ジャンルは戦略シミュレーションゲーム。プレイヤーは自由に選択した国家の指導者となって、自国を発展させたり、資産を運用して軍事力を強化させたりして、富国強兵を成し遂げ、他国からの侵略を防いだり、逆にこちらから侵略して領土や資産を奪っていく。
ゲームクリアはゲームモードごとに異なっており、設定された条件を満たすことを目的するキャンペーンモードや、地域全体の完全占領を目指す争覇モードなど、多様に揃えられている。
本格的で骨太な歴史シミュレーションを味わうことができるだろう。
ストーリー
1800年代といえば日本はまだ江戸時代。しかし世界各地では独立戦争の嵐が吹き荒れ、あちこちで争いばかりが頻発する混迷の中にいた。
キャンペーンモードで選択できるシナリオは数多く、世界史Bの教科書に載っているようなメジャーな戦争名がズラリと並んでいる。中心はヨーロッパではあるが、それに関連付いた、アメリカ独立戦争のシナリオもプレイすることができる。近代ヨーロッパ史が好きな人にとってはたまらないゲームといえるだろう。
また争覇モードでは広大なマップから好きな国を選択することができ、フランスやスペインといった超メジャー国から、この頃はまだ超強かったオスマントルコやポルトガルといった国、忘れちゃいけないプロイセンにデンマーク、どっこいまだ生き残っている神聖ローマ帝国、属領だけど歴史は長いナポリ王国、一応まだまだ主権は持っているピルモント、などなどきわめて選択肢が広く、また自由度も高く、歴史マニア垂涎のプレイが楽しめること間違いない。
ハードコアなプレイを求めるガチのシミュレーションゲーマーのあなたは、開始の瞬間から四方八方よりタコ殴りにされるポーランドを選択して、血みどろの大陸制覇を目指してみよう!
公式のアプリ紹介
指揮官閣下!18世紀のナポレオン時代へようこそ。
斬新なゲームモードや将軍スキル、アイテムシステムが導入されました。
総計200人の名将「ナポレオン、ミュラ、ウエリントン、ネルソン、ラナ、クトゥーゾフ、ワシントン…」が登場します。
それぞれの将軍は一般兵から元帥まで、一般人から皇帝まで昇進できます。
部隊にもそれぞれの特色があり、使いこなせたら、どんな相手に遭遇しても勝つことができます。部隊は経験値を貯めることで戦闘力が大幅に増幅したエース部隊になります。
新たにデザインしたマップシステムで地図をシームレスに拡大縮小でき、各国の勢力範囲と国境線は一目で分かります。
戦場で戦術を活用し敵を退く以外に、ショップでアイテムを購入したり、酒場で将軍を募集したり、市場で物資を交換することができます。
【シナリオモード】
六つの戦区 84つのシナリオ
『インペリアルイーグル』『対仏大同盟』『神聖ローマ帝国』『東の覇者』『アメリカの台頭』『太陽の沈まない国』
【争覇モード】
六つの時代で世界征服を目指す
『1798ヨーロッパ』『北アメリカ1775』『ヨーロッパ1806』『ヨーロッパ1809』『北アメリカ1812』『ヨーロッパ1815』
【アチーブメントシステム】
ヨーロッパ皇帝、アメリカの皇帝、アジアの皇帝などの称号を獲得できます。各国のお姫様を獲得できます。プレイヤー間のランキングが楽しめるようになります。
ゲームシステム
チュートリアルは自分で選択しないといけない、というところにまず初心者お断り感があるように思う。知りたきゃきちんとお勉強しな、と言わんばかりだ。
そして凄いというか、ああ洋ゲーのしかもシミュレーションゲームだなぁと思うのが、チュートリアルできちんとプレイ方法を知っておかないと、何もかもさっぱりわからないし、ゲーム中は何も教えてくれない、というところだ。なんとも骨太すぎる設計である。でもたしかに、事前説明をきちんと読まない人が悪いのである。
シナリオの数は膨大にあり、より取り見取り。ただ歴史を詳しく知っている人でないと、どういった状況の、そもそもどこ国の誰の話なのかも、少しもわからないだろう。
なので、歴史を知らないとステージの面白さもわからないかもしれない。
プレイ内容はかなり複雑。まずは少しずつ、できること、やれること、目指すことなどを確認していこう。
ターン制なので、じっくりと考えてから行動することができる。
争覇モードでは様々な国から自由に選択し、ヨーロッパ制覇を目指すことができる。
プレイヤーの腕次第で、当時は半独立状態だったトリポリタニア(カラマンリー朝)を、オスマン帝国から完全独立させることだってできるのである。夢が膨らむ!
BGMやグラフィック
ヴィジュアルやサウンドなど、あらゆる面が渋い仕上がり。ヘックス(6角形のマス)のボードがゲーム画面であったりと、ゲームデザインも渋い。とにかく渋い。
さらにキャラクター絵には実在の肖像画などが使われており、やはり渋い。
完全に玄人向けの作りである。
ド派手な戦闘シーンや超美麗なグラフィックなどを求める人はUターンした方がいいだろう
総合評価
歴史好きや戦略シミュレーション好き以外はお断り!といった札でも貼られているかのような威圧感すら覚える本作は、実際の内容も実にその通りで、難易度もきわめて高く、ライトユーザーはついていくことも難しいだろう。
特に今作では資金を投入しての部隊回復ができないなど、より慎重かつ幾重にも先読みして考慮するようなプレイが要求されるので、スマートフォンゲームとはいえ、とても気軽にはプレイすることもできない。キャンペーンモードの1シナリオだけでも数時間はプレイ時間が必要になるだろう。
それでいてフランスのシナリオだけでも20ステージ近く用意されているなど、もはや狂気を感じるかのようなボリューム。これはもうヘビーユーザーにしかプレイすることは不可能だ。
惰弱なポチポチゲームにはすっかり飽きた本格シミュレーションゲームファンにとっては、待ってましたといわんばかりの作品だろう。好きなだけやり込むべし!