「厄災」と呼ばれる悲劇の果て、人を襲う「魔獣」たちで溢れかえった世界。その恐ろしい魔獣と戦うことができるのは、魔力を持った少女たちだけ。
プレイヤーは異世界から召喚された教師として、彼女たちをサポートし、導く立場となり、共に魔獣と戦っていく。ジャンルは少々珍しく、シューティングRPG……
といっても、正直シューティングゲームの要素はほとんどおまけといってもいいようなもので、本題は育成RPG部分である。
また豪華声優陣によるボイスが付いたヒロインたちとの会話や、ヒロイン同士の百合百合しい描写を楽しめるなど、美少女ゲーム的な要素も濃い。
可愛い女の子たちが強敵をガンガンやっつけていく爽快感と、そうしたヒロインたちとの日常のやりとりを楽しむことができる作品だ。
ストーリー
美少女ヒロインたちとの日常を描く「学園モード」でまったり過ごしながらも、メインストーリーが描かれるクエストでは王道的戦隊ヒーローもののノリで熱く激しい展開が描かれているという、二極的な世界観を堪能できる作品だ。
まったりの「学園モード」では学園を自由に動き回り、会話をしたり何かをしていたりしているヒロインたちを眺めたり、話しかけることができる。女の子同士のキャッキャウフフなトークを聴くこともできるし、先生らしく指導をしたり悩みを聞いてあげたりすることができるのである。
プレイヤーとの関係だけでなく、戦闘よって女の子同士の関係性も変化していくシステムはなかなか珍しく、実に興味深い。初めはぎくしゃくしていた関係も、やがて背中を預け合う関係へと発展していくなど、かなりこちらも感情移入してしまう内容だ。
また女の子たちは皆、家族を魔獣に殺されていたりなど、かなりヘビーな設定が付けられており、ゲームを進めるほどに内面やキャラクター性が増していく。そういった意味ではアドベンチャーゲームが好きなプレイヤーも楽しめる作品なのかも。
公式のアプリ紹介
ゲームシステム
まずはチュートリアル。ヒロインの1人に導かれるままに操作していけば、操作方法やシステムをだいたい理解することはできるだろう。
クリアすれば操作できるヒロインが一気に増え、課金ガチャを回せるなどの報酬も獲得できる。
クエストは充実しており、常にイベントステージが提供されているなど、更新も活発。まずはメインとなるノーマルステージを攻略していこう。
クリアしていけば、どんどん新しくできることも増えていく。
下方向に向かうような、珍しい形のシューティングだが、センターに位置するヒロインの射撃方向をスワイプで決めて、長押しで射撃するだけなので、単純明快で簡単。
ヒロインをタップでスキル攻撃。また横へのスワイプでフォーメーションチェンジなどができる。なおセンター以外のヒロインは、常にオートで射撃し続けてくれる。
コンテンツ数はそれほど多くないが、学園内を自由に歩き回って、ヒロインたちの学園生活を見守れるなど、キャラクターを楽しむという点ではかなり充実している。
生徒同士で仲良くなっていくと、戦闘中に様々な特殊効果やカットイン演出なども入るので、積極的にタップして話しかけていこう。
グラフィック
グラフィックなど、全体的にクオリティはまずまずといったところ。ちょっと粗いところが目立つCGや、画面が見難くなるだけのシューティングの演出、分かり難く遊び難いゲームデザインなど、いただけないところは多い。
ただムッチリプニプニした質感のデフォルメ3DCGで描かれた女の子たちはとことん可愛く、戦闘前後に挟まる飛行シーンのカットの鮮やかさなど、見応えのあるところも同じくらいに多い。
女の子たちを強化する「トレーニング」などはやたらとエロく描写されており、そういったところが合う人には実に良いゲームとなる。
また、丹下桜に阿澄佳奈、堀江由衣に沢城みゆき、沼倉愛美に上坂すみれと、各世代を代表するようなメインヒロイン声優たちを集めまくった超豪華キャスティングは、声優ファン、アニメファンに響くものがあるだろう。
総合評価
まずは上記の内容により、アニメや声優が好きなユーザー、それから美少女ゲームなどが好きなユーザーに強くオススメすることができるゲームといえる。
また、王道的なメインシナリオとハイテンションなノリの描写と、深みのあるキャラクター性と奥深い人間関係の垣間見える細やかな描写が、絶妙に絡み合ったようなテキストは、なかなか高く評価することができると思うので、アドベンチャーゲーム好きのユーザーにもオススメできるかも。
しかしながら、戦闘自体はほとんどおまけのような単純さなので、ゲーム性に期待するヘビーユーザーや、シューティングゲームファンなどにはオススメすることはできないだろう。
単純さと簡単さからライトユーザーにオススメできそうだが、読み込みが遅く、しかも頻繁なところや、遅刻や疲労という厄介なシステムによって気軽にステージを進められなかったり、使用したいキャラクターを自由に使用できなかったりと、とにかくテンポが悪くストレスが溜まるだけのシステムによって、すぐに投げ出してしまうプレイヤーも多いのではないかと思う。
良いところ悪いところが半々といった印象の作品。だが今後改善されていけば、かなりの良作に化ける期待感にもまだまだ溢れている。