『キミとボクの三国志』は中国を中心に多くの国々で展開配信されているゲーム「放開那三国」の日本移植版で、SDキャラクターにデザインされた三国志の武将たちを操って白熱のバトルを繰り広げることのできる、タクティカルRPGとなっている。
ワンタップ操作のオートバトルという簡単さでありながら、陣形構築の戦略性や、個々の育成と編成など、バトル前に充分な戦略を練ることが必要とされ、そのゲーム性は侮れない。
1000を超えるキャラクター数や豊富なステージ数など、やり込み要素の高いアプリゲームになっている。
ストーリー
物語は三国志の世界観と史実にファンタジー要素を追加したもので、プレイヤー(主人公)は、定番の「黄巾の乱」から始まり、様々に有名な場面を辿っていく。
呂布や関羽といった高名な武将たちと出会い、力を合わせて戦場やダンジョンを駆け巡るのだ。
ゲームシステム
まずはプレイヤーのアバターともなる主人公キャラクターを、男女どちらかから選択する。
その後はチュートリアルが始まり、自動で進行するバトルを眺めることとなる。このフルオートで進むバトルはチュートリアルだからというわけではなく、今後も全て同じように進んでいくものなので、バトルに関しては特に覚えることもない。
バトルが終わり、各種システムの説明が終わる頃にはレベルが上がり、ガチャを回せるようになるだろう。
バトルこそフルオートの超お手軽ゲームであるが、ホーム画面からもわかるように、コンテンツ数が膨大で、実はやれることもやるべきことも多く、なるほどバトルに入る前までがこのゲームの「ゲーム性」なのだということが理解できることだろう。
ユニットや武器を集め強化し、挑むステージに合わせて編成し、陣形を構築する。この一連の作業こそがバトル勝利のための作業となる。
ダンジョン(メインクエスト)は三国志の主要な物語をなぞっていくもので、膨大な数のステージが用意されている。
他にも多種多様なイベントステージやプレイヤー同士による対人戦や軍団戦などもあるので、やり込み要素は満載だ。
競技場や資源鉱山にペットなど、サブコンテンツも山のようにある。
フルオートバトルはもはや眺めることしかできないので、この点が好みの分かれるところになるだろう。
放置しても勝手に進めてくれるのをお手軽で楽だと感じるかどうかで、このゲームの印象はガラリと変わる。
総合評価
口コミ・評判
『キミとボクの三国志』で問題視されるであろうポイントは、やはり外国製のゲームであるという点。最近ではアメリカのゲーム、特にストラテジー系は日本でも人気があるが、中国産のゲームはまだまだ馴染みが浅いので、特有のシステム等があれば違和感を覚える事もあるだろう。
んー、いいんだけどレレアップでなんでスタミナも回復させないのかがわからない。
ゲーム自体は悪く無いんですが、スタミナの回復が遅すぎて続けられる気がしませんね。
口コミを見る限りでは、ネックになっているのはこのあたりか。他にも輸入アプリでありがちな不具合が多発するという問題も付きまとっている。
ただし、上の口コミにもある通り、ゲーム自体は全体的に好評だ。
グラフィック・BGM
SDキャラクターという可愛さを前面に押し出したデザインではあるが、武具デザインなどは豪奢で強そうでとにかくカッコよく、ファンシーさとシャープさを絶妙にマッチさせている。
また1000体を超える膨大なユニット数でありながら、装備変更や強化で見た目が変わることもあるという丁寧な作り込みは実に素晴らしい。
感想と評価
三国志という、ゲーム市場だけでなく、スマートフォンゲーム市場でも既にやり尽くされた感のある題材の作品ではあるが、海外作品の移植作という点や、バトルまでの準備段階がゲームの全てという思い切ったシステムなど、少々変わった雰囲気はある。
この思い切りの良さというか、ストイックなまでの割り切り感からして、タイトルは原題のままの方がよかったように思うのだが、放置しても進めていけるというゲーム性に合わせて、よりライト層に届くようにという画策なのかもしれない。
兎にも角にもライト層向けのゲーム。
ただ1000体を超える膨大な数のユニット集めなど、コレクション好きのプレイヤーにもオススメできるし、ランキングバトルやペット機能などサブコンテンツもたいへん充実しているので、決してヘビーユーザーには向かないといったことはない。
結局は、バトルがフルオートという点を受け入れられるか受け入れられないかで、『キミとボクの三国志』の評価は大きく分かれるだろう。