本作は、次々と押し寄せてくる敵の大攻勢から拠点を守り抜くという、オーソドックスなタワーディフェンスゲームである。
プレイヤーはステージ開始前や攻勢の中で、タワー(仲間カード)の能力や、撃退する敵との相性などを見極め、適時配置し直していくなどして、拠点防衛と敵勢力の全滅を目指す。
操作こそタップとスワイプのみのごくシンプルなものだが、敵の攻勢はあまりにも激しく、そしてその戦力差は序盤のステージから既に圧倒的にあり、プレイヤーに高度な戦略性と適応力がないと完全クリアは難しい。なかなか難易度の高いゲームといえるだろう。
ただそれだけに、やり応えは抜群。見事に完全クリアできた時は、かなりの達成感を得ることができるはずだ。
ストーリー
舞台となるのは、様々な種族が手を取り合い、仲良く平和に暮らしていたファンタジー世界。
しかしある時、不思議な力によってみんなおかしくなってしまい、世界は大混乱となり、互いに憎しみ合う戦乱の時代になってしまったのであった。
主人公らヒーローたちは、はたしてこの混乱を沈め、世界の平和を取り戻すことができるのであろうか。
ゲームシステム
ゲームをスタートすると、まずは毎度おなじみのチュートリアルが開始。
このようにキャラクターが喋りかける形で、ストーリーも進行していく。
個性的なキャラクターたちと、摩訶不思議な冒険を繰り広げていこう。
ステージにはまず主人公たちヒーローユニットのみがいて、これはスワイプで移動させ、敵と戦わせることができる。
しかしそれだけではとても敵の大軍勢を押しとめることはできないので、マップ上の設置点に多種多様なタワーを自由に建設したり、道にトラップを仕掛けたりして、防衛線を張る必要がある。
タワーやトラップはカードとして収集できる。
このカードはドロップやガチャで入手。ダブったら合成して強化していこう。
たとえレア度の低い弱いカードでも、強化し続けていけば、きっと頼もしい味方となることだろう。
ステージ数がとにかく多く、ボリューム感は満点。
メインルートだけではなく、様々な横道や、アイテムの隠されたエクストラステージなども山ほど用意されている。
進めていけば、タワーを一切建設できないステージなど、大きく攻略パターンの変わったステージにも遭遇できる。やり応え抜群だ。
グラフィックや音楽
グラフィックに独特の味があり、コミカルな洋ゲー風というか、例えるならシンプンソンズ的なシュール感というか、脱力感がある。
実際にプレイしてみれば、まず登場するナビゲートキャラクターのピクシーの絵で、おそらく脱力できるはずだ。かわいいのか何なのか、正直よくわからない、なんともいえない味わいがあるのだ。
その脱力感、シュールさは、キャラクターデザインだけでなく、設定などのあらゆる部分に見受けられるので、好き嫌いは大きく分かれてしまうかも。
ただそうしたキャラクターたちはどれも、戦闘中にたいへん豊かで面白可笑しい動きを見せてくれるので、見ているだけで楽しい気持ちにはなれる。
ユニークさやシュールさのある雰囲気が好みのプレイヤーに適した内容のゲームといえるだろう。
総合評価
ごくごくオーソドックスな作りのタワーディフェンスゲームであるが、難易度の高さや、シュールさなど独特の雰囲気が、目新しさに感じられる作品。
決して万人受けする作品ではないが、歯応えを求めるヘビーユーザーや、洋ゲー的な世界観を求めるユーザーには、ぴったりのゲームであるといえるだろう。
あまり難しいゲームは…というライトユーザーでも、仲間カードの合成で自軍を強化しているシステムなどもあるので、完全クリアはともかく、ステージクリアなら力押しでもなんとかなるように作られているので安心。ゲームバランスはなかなか良いといえる。
1ステージの攻略にかかる時間が、だいたい3分から10分といったところなど、スマートフォンというゲーム環境をよくよく理解した作りになっているところなども好感が持てる。
決してマニア向けのゲームなどではない。実際遊んでみたら、思ったよりも相性がいいと感じられるかも。スマートフォンの容量に余裕があるなら、ぜひちょっとお試しいただきたい作品だ。