本作は、おじいちゃん勇者を若返らせ、育成しつつ、1000ステージ踏破を目指すというクリッカーRPGである。
操作はいたってシンプル。勇者は常に右方向へと進みながら、出現したモンスターをオートで攻撃し続けているので、画面上部をタップして追撃をかけ、モンスター撃破を手助けすればいいだけだ。
あとはタップ時に手に入るゴールドを消費して、勇者の武器を強化するなりしていけば、体力が多く防御力も高いステージボスを制限時間以内に倒すこともできるようになる。
ステージボスには何度でも挑戦できるので、制限時間内に撃破できなかった時は、ひたすら雑魚戦を繰り返して、勇者の強化に努めよう。
こうしたクリッカーゲームは山のように作られているが、本作はこの個性豊かな、独特の設定とアクの強いグラフィックで、大いに注目することができる作品である。
ストーリー
仕事に追われ、人間関係に追われ、ついには老人ホームへと身を寄せた、疲れ果てた老人が、ひょんなことから異世界に召喚され、喋るワンド(魔法の杖)に導かれ、伝説の「若返り剣」を使って若返りながら、モンスター退治の冒険を繰り広げることになる。
と、以上が本作のストーリー。あとはひたすら、ステージを攻略していくだけ。
ただ、よくある仲間システムは、傭兵やモンスターではなく、なんと息子や娘、甥っ子や姪っ子といった家族を召喚できるものをなっている。
木こりになった娘や、プロサッカー選手になった曾孫など、かなり変わったキャラクターばかりで実に珍妙な集団となるのが、またなんとも味わい深く、面白い作品だ。
ゲームシステム
基本的にはひたすらタップするだけ。
タップすればするほど、早くモンスターを倒せて、ステージをガンガン攻略していくことができる。
レベル30からできる「若返り」を行使すると、攻略したステージや武器レベルなどが初期化されてしまうが、その代わりにお宝ポイントと若返り勲章を獲得できる。
これらを使えば、初期化されない基礎ステータスを上げていくこともできるので、若返る度に「強くてニューゲーム」となるのである。
ガチャでは、後方から常に援護攻撃をしてくれる頼もしい家族と、そのお友達が召喚できる。
それぞれ異なるステータスやスキルを持っているので、必要と感じるキャラクターを中心に、個別に育成していこう。
もちろん簡単に全体を一気にレベルアップするボタンもあるので、特にこだわりがないプレイヤーはサクサクと進めることも可能だ。
稼いだゴールドを消費して強化していくこともできる。
ステータスや装備品、スキルにアイテムといったものだけでなく、街までもがアップグレード可能なので、なかなかやり込み要素は豊富。
他にも「製作所」で様々なものを作成することもできるし、さらに「イトウくんの部屋」ではコスチュームの製作もできる。
武器もアップグレードできるので、とにかくお金が大事となるゲームだ。
こうして武器のレベルを上げていけば、より強力な武器に変化し、新たなスキルが解放されていく、という仕組み。
ただ成功率の設定があり、失敗の際は逆にレベルが下がってしまうので注意は必要。
予め武器破壊防止機能をオンにしておけば、ポーションを身代わりにレベルダウンを防ぐことが可能となっているので、忘れずに設定しておこう。
グラフィックや音楽
グラフィックは、ネオジオのゲームを思い起こさせるレトロ感溢れるもので、人によっては汚く感じてしまうところがあるかも。
キャラクターデザインも独特で、かなりクセが強く、苦手な人も多そう。
ただユニークなコスチュームの数が膨大だったり、珍妙な装備品が山のようにあったりと、このギャグ感とゴチャゴチャ感をこよなく愛する人も、きっと多くいるはずだろう。
趣味が合えばどっぷりと楽しめる作品である。
総合評価
シンプルゲームといえるゲーム内容なので、誰でも自分のペースでのんびりと遊ぶことができる作品。
メインゲームとするにはゲーム性が薄いが、息抜きのサブゲームとしてなら楽しく遊んでいけそう。
ただクリッカーゲームの宿命として、初期化を繰り返し、同じ作業を繰り返さなければならないという流れになってしまうので、飽きが来るのもちょっと早いかも。
それでも期間イベントや限定コスチュームの配信など、他の同種作品よりは更新を頑張っている印象も受けるので、早々に見限ってしまうのは損。
とにかく味わい深さが印象に残ることもあって、時折アプリを起動してはチェックしたくなるという、妙に愛着が湧くゲームでもある。