本作は、パティシエとなって、パティスリーに来店したお客の注文に合わせたスイーツのパネルを3つ以上繋げて消していくといった、いわゆる3マッチパズルゲームである。
スワイプだけの超簡単操作で、マカロンやケーキ、ドーナツにプリンといった、実に美味しそうなスイーツの描かれたパネルのパズルを、感覚的に解いていこう。
パネルだけでなくステージセットや背景など、あらゆるものがカラフルに描き込まれており、キャラクターもたいへん愉快に動きまくる。実ににぎやかな作品だ。
優しくあたたかい世界なので、小さなお子様でも安心して楽しむことができるだろう。
ストーリー
プレイヤーの操作する主人公は、一流のパティシエを目指して修行する見習いスイーツ職人。
舞台となるのは、とある街の小さなパティスリー。日々、個性の強すぎるキャラクターたちがやってきては、主人公に様々な注文をしていく。
細かいストーリーやテキストなどはないが、家や畑、動物までもがお菓子でできているといったファンジー世界が描かれており、絵本をめくるようにゲームを楽しむことができる。
ゲームシステム
3マッチパズルゲームは世に多々あれど、好きな写真を主人公の顔として設定できるようなユニークな作品はあまりないだろう。
その場で自分の顔を撮影して顔とすることもできるので、Facebookなどをやられている方は、フレンドとの話題作りなどにいいのかも。
ゲームデザインやグラフィックだけでなく、雰囲気全体がアメリカンなノリといった感じだ。
パズルは基本的にはよくある3マッチ式だが、脱出や救出、ライン繋ぎにデコレーションなど、ステージの作りは様々に用意されていて、とにかくバリエーションが豊富。
演出もにぎやかで、やたらと画面がハイテンションというのがまた面白い。
ステージ数は多く、200以上も用意されている。やり応えは充分すぎるほどだ。
なるべく少ない手数でクリアしたりして高得点を叩き出すことができたならば、3つ星評価をもらうことができる。
クリアできないステージをフレンドに代わりにプレイしてもらうことができたりと、小さなお子様やパズルゲームが苦手というユーザーでも、先に進むことができる救済措置が設けられている。
1人でコツコツとやっていくのがパズルゲームの基本ではあるが、本作は仲間とワイワイ助け合って楽しめるという、コミュニケーションツールとしても使うことができる作品なのだ。
グラフィックや音楽
グラフィックに独特な味わいがあり、特にキャラクターデザインはかなりクセが強めなので、例えばシンプンソンズのような海外産アニメなどに慣れていないと、いささか違和感を覚えてしまうかも。
そうしたデザインに抵抗がなければ、にぎやかに画面を動き回り、オーバーアクションをとってくれるキャラクターには、プレイするほどに愛着が湧いてくるだろう。
多種多様なスイーツの数々は、色彩こそアメリカ的でドギツイものであるが、それでもかなり美味しそうに見える。プレイしていると、思わずお腹が鳴ってしまうゲームだ。
総合評価
3マッチパズルというジャンルは、シンプル・イズ・ベストという、ゲームの根本的な面白さを教えてくれるものである。繋いで消して、アクションを起こし、ステージギミックを動かし、クリアを目指す……と、これだけのシンプルなゲーム内容でありながら、一度始めるとついついやり込んでしまう、妙な味わいというものがあるのだ。
このテのゲームはもうやり飽きたよ、なんていっていても、気がつくとまた戻ってきてしまう。新たに似たゲームを探してプレイしてしまう。またコツコツと、膨大なステージをクリアし、マップを進んでいってしまう。
難易度は低く、ゲーム性も薄いものなので、ゲームに何か目的や目標を設定していたり、達成感などを求めているヘビーユーザーには向かないゲームであるかもしれないが、ゲームは息抜きという考えのライトユーザーや、パズルゲーム好き、そして小さなお子様などにぴったりのゲームといえるだろう。
データ容量も少なく済むので、ぜひ気軽にダウンロードしてみてほしい作品だ。