アピリッツより配信されている本作は、同社のブラウザゲーム「ゴエティア 千年の魔神と無限の塔」の世界観を引き継いだスマートフォン向けダークファンタジーRPG。
プレイヤーは魔術師となって、魔神や堕天使たちを率いて、人間の世界を滅ぼした神々との戦いを繰り広げていくことになる。
暗い世界観や重厚な雰囲気だけでなく、最大12人を編成できる多人数バトルや、多彩で豊富なコンテンツの数々など、たいへん遊び応えと独自性のあるゲームとなっている。
難易度はかなり高めだが、それだけに確かな達成感を得られる作品ともいえるだろう。
ストーリー
ゲームの舞台となるのは、神によって滅びを定められてしまったファンタジー世界。
そこでプレイヤは魔導師となって、神に反抗し人間に味方してくれる魔神や堕天使たちと力を合わせ、天からの遣い「天魔」と壮絶な戦いを繰り広げていくことになる。
まずは各地に存在する「幻影」という敵を討伐し、仲間の魔神たちを増やしていく。
するとやがて物語は4つのルートに分岐。それぞれの物語が紡がれていくことになる。
退廃と混沌に支配された世界で、戦いの果てに見えるものとは何か……重厚な物語を楽しむことができる作品だ。
ゲームシステム
絵本のようなタッチで描かれたオープニング映像は、これから展開される重厚な物語の予兆としては申し分ない雰囲気である。
カットインを使用した独特の表現で描かれるアドベンチャーパートで物語は進行していく。
最大12までも編成できるバトルは、セミオート形式。
アイコンタップでスキル発動を予約することができたり、ゲージを溜めてのリミットブレイクなどで、戦闘を有利に進めていくことができる。
コンテンツ数は多めで、対人戦や多人数で協力し合うレイドバトル戦などが用意されている。
ルームというキャラクターと触れ合えるコンテンツなどもあり。
キャラクターの育成要素も多く、やり応え充分。
それぞれにスキルを3つ付けられるなど、戦略性も高い。
絵本のようなタッチで描かれたオープニング映像は、これから展開される重厚な物語の予兆としては申し分ない雰囲気である。
キャラクターは主にガチャで獲得できる。
ピックアップなどが小まめに変更されるので、チェックは忘れずに。
メインだけでもステージ数が多く、簡単には遊びつくせない。
まずはとにかくメインステージをクリアしていき、ストーリーを進めていこう。
初めこそ1本道だが、やがてルート分岐も出現する。
商店など、アイテム獲得方法も多岐に渡っており、やり込み度は本当に高いといえる。
デザインや音楽
グラフィックなどは飛び抜けて高い作品というわけではないが、エフェクトやカットインなどの演出面が優れており、なかなかに迫力のあるバトルを作り出しているなど、注目すべき点は多い。
そうしたバトルが、SFC時代のRPGを思わせるような画面の作りになっているところなどは、かえって新鮮味を覚えられるような気にもなる。
高い独自性を持つキャラクターデザインなどは、はっきりと本作の良点の1つであるといえるだろう。とりわけ「幻影」のデザインなどはかなり印象深く、深い世界観に更なる濃さのようなものを与えているといえるだろう。
さらにテキストの優秀さも特筆すべきところ。ガイドのテキストまで凝りに凝っており、たいへん読み応えがある。そして読むほどにゲーム世界にさらに入り込んでいけるような気になる。
また、メインストーリーに関わる主要キャラクターにはボイスも付いている。藤井ゆきよや大和田仁美など、新進気鋭の声優たちがキャスティングされていることも大いに注目できるところだ。
総合評価
高い難易度設定と独特の世界観が合うかどうかはユーザーの感性次第であるが、スマートフォン向けRPGとしては、きちんと独自性のあるゲームシステム。
さらに高い戦術性という遊び応えのあるゲーム内容ながら、たいへんテンポが良く、ちょっとした空き時間にも満足のいくプレイを楽しめるという、充分以上に良作といえる完成度となっている。
やり込み度の高さやコンテンツ数の多さなど、長く遊び続けることができるようにも作られているので、やはり高い難易度こそ楽しめるというヘビーユーザーを中心にオススメできるゲームといえるだろう。
ただ、明らかな難点としては、ガチャの渋さが挙げられるか。2018年10月時点で高レア確率2.7パーセントと出ており、これはさすがにユーザーを突き放しすぎているようにも思える。
その渋さの中でやっとのこと手に入れた高レアキャラクターが弱すぎたり、一部のノーマルキャラクターがやたらと強かったりすることは、工夫次第でパーティを強くできるという高いゲーム性なのか、それともただ単にゲームバランスが悪いと捉えるかは、それもまたユーザーの感性次第といえるだろう。