ロボットによって星々を侵略されたエイリアンの反抗を描いた本作は、マス目上のフィールドで上下左右にエイリアンをピンボールのように吹き飛ばし、アイテムを獲得しつつ敵ロボットに体当たりしてダメージを与え、撃破していくといったパズルRPGである。
パズル要素というのは、フィールド上に表示されている矢印の向きを変えることで敵やアイテムに目掛けて飛ぶようにコントロールしていくところで、RPG要素というのは、タップでスキル攻撃などを発動できるお助けエイリアンを育成することができるという部分だ。
適度な難易度のパズルと、とことんやり込んでいけるRPGを同時に楽しむことができるという、1粒で2度美味しさを味わえる作品である。
ストーリー
ストーリーは、星をロボットによって奪われたエイリアンたちが立ち上がり、封印された力のようなものを解放して戦っていくといった展開のようだ。
何故に伝聞推量なのかというと、本作にはストーリーパートにテキストが一切なく、イラストだけで進行していくからである。
だから、だいたいなんとなくでしか、お話の筋をつかむことはできないのだ。
しかしそれが絵本を読んでいるかのような感覚にさせてくれるので、不満点にはならない。イラストがとにかくかわいいので、戦いを描いたお話だというのに、なんとも優しい気持ちになってくるのはまた不思議な心持ちであった。
ゲームシステム
基本的には、美しくかわいいイラストを眺めながら、ステージを1つずつ進めて、侵略された惑星を解放していくのがゲーム内容となる。
ごくシンプルな設計ではあるが、使用できるエイリアンが100体以上と大ボリュームで、やり込み要素はかなりある。
ボリュームがあるのはキャラクターだけでなく、ステージ数も。何百と用意されており、やり応えは充分すぎるほどある。
またソーシャル要素もあり、噛めば噛むほど味が出る作りになっている。
攻略に最適なルートを考えつつ、矢印を設定し、エイリアンを飛ばそう。
しかしただ単に敵ロボットに直撃すればいいというわけではなく、緑の玉は小ダメージを与え、壁に当たればアイテムが出現するなど、様々なギミックが施されているので、そうした効果をきちんと用いながら立ち回っていく必要がある。
またセットしてあるお助けエイリアンのカードをタップすれば、様々な効果を持つスキル攻撃などを繰り出してくれる。
お助けエイリアンは育成することも可能。
ダメージを与えるだけでなく、攻略に便利な様々な付加も様々にあるので、自分のプレイスタイルに合うようなエイリアンを中心に育てていくと、攻略が楽になるだろう。
グラフィックや音楽
パッと見こそあっさりした作りの作品に思えてしまうが、細部の作り込みが細かく、決してクオリティが低いということはない。
エフェクトなどの巧みさによって、プレイにかなりの爽快感があるので、かなり優秀な作りといってもいいだろう。
ストーリーにテキストがないのは絵本的な感覚を楽しめる演出として成立している。またアップデートによって、スキルの説明の英語テキストも、日本語に翻訳された。問題なく遊ぶことができるはずだ。
それにしても、キャラクターデザインに強いオリジナリティがあり、可愛く、とても印象に残るのが素晴らしいと感じられた。気がつけばたいへんな愛着がわき、キャラクター集めに熱中してしまうほどであった。
総合評価
見た目こそシンプルなパズルゲームに思えるが、上記にあるようなRPG要素など細かい工夫が多々組み込まれており、奥深いゲーム性が成立している。それによって、他の同じような作品にはあまり見られない面白さというか、新鮮味があるように感じられた。
とりわけHPが多く防御力も高いボス戦などでは、プレイヤーの戦術性と戦略性も試される、熱いバトルを楽しむことができるだろう。
また挑戦できるステージが多いだけでなく、そのステージごとに散りばめられたギミックが豊富かつ面白味に溢れる設置になっているので、簡単操作ながら飽きが来にくいものになっているということも、高く評価することができる。
頭は使うが、ひらめきが肝心というものなので、小さなお子様の知育にもちょうどいいように思える。そしてどうしてもパズルが苦手という人でも、育成をやり込んでいけばなんとかなるという救済もあるので安心だ。
老若男女問わず、幅広い層のユーザーにオススメできる作品といえるだろう。