アソビモより配信されている本作は、魔法と錬金術の栄える世界で「自分の居場所を見つける」ことをテーマとしたMMORPGである。
プレイヤーは、自身の分身であるアバターを作るだけでなく、常に共に行動してくれるパートナー「YOME(Your own meet everyday)」も作成し、2人1組で冒険に臨むことになる。
冒険は街やフィールド上にいるNPCからクエストを受けて進めていくといったきわめてオーソドックスな作り。
迷うことなく進めていけるオートラン機能やガイドなど、初心者でも気楽に遊べるように作られている。
バトルもコマンド選択式なので、きっと誰でも問題なく遊ぶことができるだろう。
ストーリー
舞台となるのは剣と魔法の存在する中世ヨーロッパ調のファンタジー世界。
プレイヤーは人類を脅かす魔王や魔物を討伐する冒険者の見習いとして、今まさに旅立とうするところであった。
と、まさしく王道中の王道といったメインシナリオであるが、セリフ回しや展開などは軽めで、テキストもコミカルさの方が濃く出ている。
ライトファンタジーというノリなので、壮大な物語を期待したユーザーは肩透かしをくらった形になるかもしれないが、のんびりまったりと楽しめる気軽さがあり、空き時間などに進めていくのにはちょうどよく、スマートフォン向けゲームらしい作りといえるのかもしれない。
ゲームシステム
ゲームを開始すると、まずはキャラクターメイキングとなる。
主人公(アバター)とパートナー(YOME)の2人を作成することになるのだが、性別や身長体型に顔や髪まで、かなり細かい部分まで作り込むことができる。
メインクエストではボイス付きのシナリオを楽しむことができる。
MMORPGなので常に他のプレイヤーも表示され、会話したりアイテムトレードができたりするのであるが、それを煩わしく思うのであれば、ゲーム中でもタップ1つで「ソロモード」に切り替えることができ、完全なシングルプレイを楽しむこともできるようになる。
このシステムは画期的というか、大いに称賛できるものだ。
フィールドは仮想パッドを操作することで移動できる。
オートラン機能もあるので、広大なマップでも迷うことなく目的を達成することができるはずだ。
またタテ画面にもヨコ画面にも自由に切り替えることもできる。
バトルはコマンド選択式。ターンが回ってくると、装備しておいた6つのスキルが3つランダムで表示されるので、どれか1つを選んでタップする。
スキルには属性が設定されており、敵との相性を考えて選択するといった戦術性がある。
グラフィックや音楽
グラフィックはPC向けMMORPGと遜色ない美麗さで、音楽も美しく、ストーリーもフルボイスと、かなり高クオリティな作品であると評価できる。
またキャラクターメイクが細かく、とことん好きなようにデザインできる自由度の高さも素晴らしいところ。錬金術という設定とシステムもあってアイテム数も膨大で、やり応え充分である。
ただその高クオリティさ故にデータ量が多すぎて、ゲーム環境が整ってないとまともに動かすことも難しい。ロードの多さには、テンポの良い現代ゲームに慣れきったユーザーがかなり苛立つかも。
バトルのテンポの緩めで、昔のRPGみたいにワンクッション入るようなもどかしさもある。オールドゲーマーにとってはなんてことはないのだが。
あとはとにかくカメラワークが悪い。フィールドは見難く、バトルは攻撃のモーションすら満足に見れないほどである。早急な修正を期待したいところだ。
総合評価
上記の問題点に加えて、バグや不具合の多さも気になる。
特に「街に帰れなくなるバグ」や「ダンジョンから出られなくなるバグ」は、もはやゲームとして成立していない致命的な欠陥で、それに対して運営から特にお知らせもないなど、とにかく先行きが不安な作品である。2018年1月14日現在では、ついにログインすらできなくなってしまった。
ゲーム性やグラフィックなどの完成度が高いだけに、システム面で失敗しているのは実に勿体なく感じられる。良きスマートフォン向けMMORPGの気配があるだけに、1日でも早い「リスタート」を強く望むところである。