本作は、神と悪魔が混在するファンタジー世界で、失った記憶を取り戻すべく戦いを繰り広げていくという、3DアクションRPGである。
手動・セミオート・フルオートに切り替えつつ好きなように遊べる良質の操作性で、ド派手かつ爽快感満点のアクションを楽しむことができる作品だ。
特筆すべきところは、プレイヤーの選択によってストーリーが変化していくといった点か。スマートフォン向けゲームにはありがちな、ステージクリア型のRPGであるが、こういったシステムは意欲的に見える。
ストーリーテキストもボリュームがあり、物語を楽しみたいというRPGファンを中心にオススメできそう。
ストーリー
記憶を失った主人公(プレイヤー)は、大いなる存在の眷属を名乗る「アテナ」の導きにより、世界を救うべく戦っていくことになる。
禍々しいゲートによって歪み、混乱したフィニシア大陸に降り立った主人公……熾烈な戦いの途中、多くの行動選択、質問への回答などがあり、その決定によって「神魔ゲージ」が変化し、運命が変化していく。
自分だけのシナリオ、自分だけの展開を楽しめる、没入感の強いRPGである。
ゲームシステム
ゲームを開始すると、まずは初期のプレイアブルキャラクターを、2人の内のどちらかに決定することになるが、すぐに他のユニットも入手できるし、選ばなかった方もガチャなどで獲得することができる。
なので、まずは直感で気楽に決めてしまっていいだろう。
クエストはステージ制で、最奥にいるボスを倒したり、全滅させたり、時間まで防衛したりと、設定された各条件を達成すればクリアとなる。
バトルは基本セミオートで進行するが、ワンタップで手動にもフルオートにも瞬時に切り替えができる。
3倍速までの倍速機能もあり、テンポよく攻略していくことが可能だ。
クエストの合い間には、この先の展開を左右する「神魔ジャッジメント」という選択の時があり、より濃密な、物語性の高いシナリオを楽しむことができる。
各キャラクターの内面を描いたシナリオなども充実しているので、ふと感情移入することもあるだろう。
愛着の湧いたキャラクターは、たとえ低レアであっても、覚醒や進化といった育成によって超強力なキャラクターにまで育て上げることができるというのが、またなんとも嬉しいところ。
メインクエスト以外にも対人戦やギルド戦、レイドボス戦や挑戦ステージなど、豊富なコンテンツが取り揃えられている。
また多彩なミッションを達成していけば、スタミナや資金、そしてキャラクターなどを獲得できる。
グラフィックや音楽
簡単操作ながら迫力のあるバトルを楽しめる3Dグラフィックや演出は、素晴らしいのひとことしかない。
またキャラクターを描いた2Dイラストもみな実に美しく、思わずキャラクター集めに熱が入ってしまうことだろう。
ホーム画面では、表示されているキャラクターに触れると様々な反応を見せてくれる。それぞれ可愛らしいボイスも搭載されており、耳にも嬉しい。
キャスティングされている声優は、斎藤千和や加藤英美里といった一時代を築いたともいえる有名声優たちから、松田利冴や高野麻実といった注目されつつある若手のホープたちまで、バラエティ豊かに揃えられている。声優ファンやアニメ好きも要チェックといえる内容だろう。
ただ残念なことに、ストーリーのテキストが膨大すぎるせいか、フルボイスとまではいっていない。そこはちょっと残念に思う。
総合評価
全体的にクオリティが高く、シナリオのボリュームもあるという、たいへん完成度の高いアクションRPGなので、老若男女問わない広い層のユーザーにオススメすることができる作品といえる。
とりわけオートと手動を織り交ぜたような操作性の良さは、アクションゲームが苦手なプレイヤーでも気軽に遊べるところになっており、ライトユーザーを引きつけられる魅力として機能しているように思う。
またそれでいて、オート操作に頼りすぎると、ステージ中の隠しルートや隠しアイテムを見つけることができないので、完全クリアやアイテム集めのためには手動操作が必要になるなど、ライト過ぎないところも魅力的。ストレスを感じない程度の、適度な難易度が設定されたゲームともいえるだろう。
また、ガチャ以外でもキャラクターを手に入れることができるのも魅力の1つ。隠しステージやハードモードをプレイすれば、高レアキャラクターのキャラクターを獲得できる「英雄のかけら」を比較的容易に集めることもできる。
正直同種ジャンルのゲームが多すぎるため、目新しさはさすがに感じられず、多くのゲームをプレイしているヘビーユーザーにはあまりオススメすることはできないかもしれないが、無課金でもたっぷり遊べる作品なので、まずは序盤だけでもお試しでプレイしてみてほしい。