本作は、その名の通り、週刊少年ジャンプで連載中の大人気漫画「銀魂」のスマートフォン向けゲームで、ジャンルはターン制コマンド式のＲＰＧとなっている。

メインキャラクターたちだけでなく、たった1話にしか登場しなかったような超ドマイナーキャラクターまで網羅した満点のボリューム感があり、ファン必見の内容だ。

キャラクターボイスに、ギャグネタを活かしたミニゲームなど、ＳＤキャラ描写でありながら原作再現度がきわめて高い作品。まさにファン向けのゲームといえるだろう。

さらに原作第1話から追体験できるメインストーリーモードなどもしっかり用意されているので、２０１７年現在の実写映画版などから入ってきたような新規ユーザーでも、存分に楽しむことができるはずだ。

ストーリー

ギャグありシリアスありの原作エピソードの数々を追体験できるストーリーモードの他、主人公の銀さんたちが住む町「かぶき町」を自由に歩いて探索できるホーム画面など、銀魂ファンにはたまらないものになっている。

ストーリーモードのグラフィックはアニメ版のものを使っているが、かなりの高画質に変化しており、見応えのある内容といえる。

限定クエストなども配信されるので、かなり遊び応えもあるといえるだろう

ゲームシステム

コンテンツ数はなかなか多く、一通り揃えられているといった感じ。

町に点在するキャラクターには話しかけることができ、ボイスなどを聞くこともできる。

アクティブユーザーが表示されるというＭＭＯＲＰＧのような画面なので、リーダーを変更して表示キャラクターを変えておかないと、自分が今どこにいるのかわからなくなってしまうかも。

ガチャなどで獲得したキャラクターを自由に組み合わせ、パーティを編成しよう。

原作では絶対に手を組まないようなキャラクター同士でも一緒にできるというのは、ファンにとってはたまらないものがあるだろう。

原作のエピソードを追体験するストーリーモードでは、クリア評価の星を集めることで豪華な宝箱を開けることができるようになっている。積極的に挑戦していこう。

それにしても懐かしいサブタイトルである。

バトルはスキル攻撃のタイミングや、追撃の組み合わせなどが、勝負を分けるものになっている。

またキャラクター同士の相性などが設定されているので、編成の際はよくよく考えて組み合わせよう。

グラフィックや音楽

グラフィックやサウンドなどをアニメ版のカットやボイスに頼っているので、お世辞にもクオリティは高いとはいえない作品であるが、ファンにとっては使いまわしであろうと、ＳＤ調のＣＧであろうと、しっかりと描き下ろしのイラストなどが用意されていれば、満足できるものである。なので、評価は銀魂ファンかそうでないかで、大きく分かれることになるだろう。

ただＢＧＭは何故かアニメ版のものを使わずにいるため、全く雰囲気が合わず、ただただゲームと世界観の邪魔になるだけのものになってしまっているのが残念でならない。

オープニングにアニメーションを入れるよりも、本編の方にもっと気を遣ってほしかったように思う。

総合評価

ＲＰＧとしてはイマイチだけど、キャラクターゲームとしては及第点。という、最近のスマートフォン向けゲームによくある評価しかできない。

銀魂ファンにしてみれば、好きなようにパーティを組むことができ、ボイスや絵を堪能できるのだから良作となるのであるが、そうでないユーザーにとっては、ひたすら退屈な戦闘と穴の多いシステムなど、あまり良い印象を持つことはできないだろう。

戦闘システムは、平凡であっても、せめてキャラクターの動きや派手さなど、演出面のカバーさえあれば、もっと高く評価できたように思う。

ただ、実にくだらないミニゲームにやたら力を入れていたりとか、特に配慮もなく原作そのままで過激すぎる台詞を載せているところなど、良いところもたくさんあるゲームなので、軽々に切り捨てるには惜しいものがある。イベントシナリオなどで大化けする可能性もあるので、今後もチェックし続ける必要性はあるだろう。