ソウルクロニクルは美麗なＣＧに豪華声優陣、壮大なファンタジーストーリーと広大なフィールド、そしてバトルや探索などといった多彩な冒険的ゲーム性を盛り込んだ、本格スマートフォン向け３ＤＭＭＯＲＰＧである。
本格という看板は掲げているものの、オートプレイの実装や簡単操作といった、スマートフォンというゲーム環境に適合したシステムになっているので、誰でも安心して気楽に冒険を繰り広げることが可能だ。
コマンドなどのボタンを自由に表示非表示にカスタマイズできたりと、ユーザーフレンドリーは徹底されおり、ライトユーザーもヘビーユーザーも楽しめるようになっているところは大いに注目できる。
ストーリー
舞台は剣と魔法の世界であるウラノス大陸。
世界は古来より邪神タナトスによって蹂躙されていたが、それを打たんと挑むのがプレイヤー（主人公）である。
物語は邪神タナトスに最後の戦いを挑むシーンから始まる。
絶対的な邪神の力に手も足も出ないプレイヤー（主人公）……そしてあえなく返り討ちに遭わんとしたその時、仲間のアベルによって、この結末を変えるために、プレイヤー（主人公）の魂は過去へと送り込まれるのであった。
過去に戻り、人生をやり直すことになったプレイヤー（主人公）は、はたしてあの結末を、未来を、変えることができるのであろうか。
公式による紹介
▼どこまでも広がるフル3D美麗グラフィック
フル3Dで描かれた美麗グラフィックを体験できます。
次世代の本格ファンタジーRPGをスマホでプレイしよう！
▼カンタン操作で本格バトル！
移動や戦闘がスムーズに行えるオートプレイを搭載！
スキルの組み合わせも自由自在！カンタン操作で戦略性の高いバトルが楽しめます。
▼多彩なペットが続々登場！
騎乗ペットに乗って広大な世界を駆け巡ろう！
育成すると見た目も変化！自分だけのお気に入りペットを育てよう！
さらに、個性豊かなペットも続々と登場予定です。
▼協力プレイでやり込み度MAX！
プレイヤーたちと協力して、フィールドに現れる巨大なボスに挑んだり、
仲間との連携が鍵を握る、多人数同時のチームバトル(PvP)など、豊富なプレイモードでやり込み要素が満載！
▼豪華声優陣が勢揃い！
小倉唯、金元寿子、佐倉綾音、沢城みゆき、花澤香菜(その他)※50音順
ゲームシステム
ゲームをスタートすると、まずは主人公を選択することになる。
高い防御力の「バーサーカー」に、素早い連続攻撃を繰り出せる「スレイヤー」に、遠距離攻撃が可能な「アーチャー」に、魔法という広範囲攻撃が可能な「ソーサラー」と、初期ジョブは４タイプ揃えられている。
自分のスタイルに合ったジョブか、見た目の好みで選択しよう。
ゲーム画面はオーソドックスな見下ろし型のクオータービュー。フィールドは本当に広大で、村も敵出現ポイントも全てが繋がっている。
ガイドの指示に従いながら人に話しかけ、クエストを受注し、おつかいやモンスターハントなど様々な出来事に臨んでいこう。
クエストをこなせばストーリーが進行し、その度にアドベンチャーパートやムービーシーンが挿し込まれる。
テキスト量がとにかく多く、しかもさらっと流れていってしまうので、情報を追いかけるだけでもたいへんかもしれないが、とにかくオート機能が充実しているので、実は話の流れが分からなくなってしまったとしても、何の問題もなくゲームを進めていくことができるのであった。
戦闘システムは一見してはアクション要素の強いようにも見えるが、実際にはシンプルかつ簡単操作で、ほとんどスキルボタンをタップすることくらいしかない。
ハクスラ系や放置系のＲＰＧのように、ただひたすら稼ぎ続ける作業が好きだったりするプレイヤーには適しているといえる内容だろう。
グラフィックやBGM
グラフィックのレベルは全体的に高く、特に頻繁に挿入されるムービーなどはクオリティも高く、力が入っている。
ただデザインや背景の既視感からか、どうにも一時代前のＭＭＯＲＰＧを思わせる雰囲気があり、残念ながらあまり目新しさは感じられない。
エフェクトや効果音なども弱々しく、戦闘に派手さや爽快感が薄いのも少々気になってしまった。
しかしそれでも、沢城みゆきに花澤香菜、佐倉綾音に小倉唯などといった現代を代表する超人気女性声優の起用、さらに重厚かつ雄大な音楽など、決してチープとはいえないデキである。
総合評価
実によくできたＭＭＯＲＰＧであるが、しかしあまり目新しさのないＭＭＯＲＰＧ……という評価。やり込み度は高いがアクション性は低く、ムービーなどは重厚だがシナリオは薄っぺらい、などと長所と短所がくっきりとしすぎていて、どうにも微妙な作品といった印象ばかりを抱いてしまう。
しかしながら、かなりゲームを進めていけば、例えば対人戦を楽しめるコロッセオ、そして一緒に冒険できるペットを育成できるモード、ルーレットによる稼ぎダンジョンモード、多数のプレイヤーで協力し合って立ち向かう野外ボスという名のレイドボス、さらには超人気声優たちが演じる美しい女神との交流モードなど、解放されていくコンテンツ数が膨大で、やればやるほど深みが増してきて、素晴らしいゲームへと変貌を遂げるのであった。
最大の問題点は、その真の面白さに辿り着くまで、明らかに時間がかかりすぎな点であろう。ペットも対人戦も解放されるのはレベル２８に達してからだし、女神モードにいたってはなんとレベル４２である。多くのプレイヤーは、そんな高レベルに達する前に飽きてしまうことだろう。こうしたゲームバランスの悪さなどからも、たいへん惜しいと感じられてしまう作品だ。
