本作はセミオート&倍速のバトルを進行していくといった簡単操作など、きわめてオーソドックスな作りのスマートフォン向けRPG作品だ。
陰陽師を題材とした現代和風ファンタジーといった内容であるが、イラストの雰囲気や色彩、ミニキャラという可愛さを前面に押し出した表現、そして豪華声優陣を起用したフルボイスサービスと、全体的にアニメやライトノベルが好きな若い世代に向けられた作りとなっている。
ストーリー
現代日本を舞台に活躍する陰陽師たちを描いたストーリーは、鮮やかなビジュアルで表現された個性豊かなキャラクターたちと、いかにもライトノベル調といえる軽快なテンポで進むテキストによって描かれている。
特に舞台が現代であることを活かした「あやかし」たちのキャラクター性が秀逸で、聞き覚えのある有名な魑魅魍魎も、ネットに毒されていたり病んでいたりといったコミカルな味付けが施されており、なかなか面白い。
ゲーム自体は超簡単操作しか求められないので、ライトノベルを読んでいく感覚でのんびりと楽しんでいけるかも。
公式による紹介
揺れ動く人の心から生じるもの「ケ」
「ケ」によって引き起こる、常識では到底説明しえない事件を解決するため、現代社会においても、陰陽師は活動し続けていた。
「あやかし」と呼ばれる、 意志ある存在たちとともに――
■こんな「あやかし」見たことない!
あなたの冒険に彩りを添えるあやかしたちは、神様に、伝説の武具、伝承や偉人をモチーフに
新たな解釈を加えて表現した、愛すべき仲間たち!
龍に化けた伝説のヤンデレ少女、清姫。
渋谷に遊びに来る、おしゃれが大好きな精霊の女王、タイタニアなど、 一風変わった「あやかし」たちが織りなす伝奇物語!!
戶松遥、松岡禎丞、下野紘、小林ゆう などの人気声優が多数出演! 物語をより一層盛り上げてくれる!!
■1体で2度オイシイ「あやかし」!?
人気イラストレーター
緋原ヨウ、木屋 町、*zoff、みよしの、ATARU、岩本健一などにより、カッコよく!可愛く!ちょっぴりセクシーに!? 「あやかし」たちをデザイン!!
戦闘時は3Dモデリングにより可愛らしくデフォルメ!!
可愛い「あやかし」は、さらに可愛く!
カッコいい「あやかし」は、ちょっと可愛く!?
そんな「あやかし」達が繰り広げるハチャメチャバトル!! 自分好みの仲間を連れて、いざ! お勤めへ!!
ゲームシステム
ゲームをスタートすると、まずは初期パートナーとなる式神を選択する。
といっても、スマートフォン向けRPG定番のガチャによって、すぐにユニットは増加していくので、ここは気軽にフィーリングだけで決めてしまってもいいだろう。
決定するとチュートリアルとなるプロローグが始まる。世界観を楽しみながら、操作方法などを覚えていこう。
プレイヤーにはミタマというナビゲーター的ヒロインキャラクターが常に付き添ってくれる。
差分の多い立ち絵と、人気声優・戸松遥によるフルボイスで、子犬のように慕ってくれるその姿は破壊力充分。
バトルはセミオートで進行し、倍速で進めることもできる。今となってはちょっと古さすら感じられる、オーソドックスなスマートフォン向けRPGといった作りだ。
重要なのは戦闘前のユニット育成と編成で、いざ戦闘が始まってしまえばプレイヤーはユニット固有のスキルをタップで発動させることくらいしかやれることはない。
パーティーは先頭にしたユニットの属性が全てに影響するといったシステムなので、クエストによって戦闘を誰にするかを決め、変更していかなければならないだろう。
ユニットは主にガチャで入手できる。
毎日定時に有料ガチャを無料で引けるなどのサービスもあるので、こまめにログインして情報を確認しておこう。
グラフィックやBGM
グラフィックはたいへんクオリティが高く、立ち絵の2Dグラフィックも、バトル中の3Dグラフィックもかなりの見応えがある。
そのクオリティは単に人気イラストレーターを起用しているというだけでなく、背景の作り込みなどからもクリエイターの意気込みと技術力の高さを知ることができるだろう。
とりわけ色彩の鮮やかさなどは秀逸で、必見。
キャラクターデザインはまさしく若い子向けといえる現代調。特に女性人気が高そうな絵ともいえるだろう。
ただナビゲート役でもあるヒロインキャラクターがやったら可愛く、細かく丁寧に描かれていることもあって、男性でもハマる人はハマるかも。
総合評価
簡単操作で膨大なボリューム感のあるストーリーをのんびりと楽しんでいくことができるので、ライトユーザーにとっては気楽に気長に楽しんでいける作品となっているだろう。
一方ヘビーユーザー、特にオールドゲーマーからすると、和風ファンタジーという90年代RPGを思い起こさせる世界観でありながら、ほとんどタップしかすることないゲーム性の薄すぎる内容は大いに不満と感じてしまうかもしれない。
キャラクターデザインの傾向からいっても、本作の対象となる年齢層は低めで、さらにアニメや漫画やライトノベルが好きといった人たちを中心に向けられて作られているので、ちょっとユーザーを選んでしまうところはある。
ただ前述したように、ゲームではなく読書として楽しむなどといった別の楽しみ方も見い出すことができる作品なので、自分に合うかどうか、まずは触れてみることをオススメしたい。