数々の大ヒットスマートフォン向けゲームを作り続けているコロプラが、２０１３年３月より配信を開始した本作は、今でも多くのユーザーに愛され続け、なおも更新され続けているという、ロングセラー作品の１つである。

内容はクイズに答えてクエストを進めていくという形式のＲＰＧで、クイズに正解できると敵に攻撃できるといったバトルシステムとなっている。

育成システムや他作品とのコラボといったやり込み要素と幅広さ、オンライン対戦の充実、そして何よりも簡単操作とクイズ難易度のバランスが絶妙で、ライトユーザーもヘビーユーザーもそれぞれに楽しめるように設計されている。

こうしたゲームとしての完成度の高さがあるからこそ、飽きが来ないゲームとして成立し、長く愛されているのではないかと思う。

ストーリー

魔法使いになりたくて、魔導士ギルドのある港町トルリッカを訪れた主人公（プレイヤー）は、そこで魔法の師匠となる少女「ウィズ」と出会う。順調に訓練をこなし、見習いとして彼女と共に人々の頼みや悩みを解決していく主人公。

しかしある時、依頼で「異世界の扉」を調査するために古代図書館を訪れた二人は、不意に出現した謎の魔龍に襲い掛かられ、紫炎のブレスに焼かれてしまう。

主人公を守るためにも本気を出して戦うウィズ。しかしその強大すぎる力を抑えきることができず、あえなくやられてしまう。

気が付くと魔導士ギルドに運び込まれていた主人公。その足元には、端正な毛並みの黒猫。

そう、ウィズは魔龍の魔法によって、猫に姿を変えられてしまったのであった。

魔龍を倒し、ウィズを元に戻せる大魔法使いとなるべく、主人公の大冒険譚が幕を開ける。

ゲームシステム

基本的にはメインクエストに挑み、ストーリーを進めていくのが本作のゲーム内容となる。最近のゲームに比べると少々コンテンツが貧弱に感じられるかもしれないが、メインクエストだけでも既に膨大な量となっており、簡単には全クリアできない大ボリュームとなっている。

クエストの他には対人戦を楽しめるトーナメントモードがあり、勝ち星を積み重ねるとランクが上がり、さらに強い他プレイヤーたちのひしめく上級トーナメントへと挑むことができる。

クエストはスマートフォン向けゲームではすっかりお馴染みのダンジョン探索形式になっていて、一番奥まで進むとボス戦となり、撃破すればクリアとなる。

雑魚戦からボス戦まで、全てのバトルがもちろんクイズ戦だ。

バトルではまずジャンルパネルから１つを選択し、そこで出題された４択問題に挑むことになる。

正解すると手持ちの精霊カードがモンスターに攻撃。

この時、攻撃してくれる精霊は、選択したジャンルパネルの色に対応しているので、パーティの編成や属性の相性、さらにはスキル発動のタイミングなどもよくよく考えなければならないという、実はかなりの戦略性があるのであった。

ストーリーはアドベンチャーパートによって進行する。

有名声優によるボイスだけでなく、量も質も高いテキストにも注目してほしい。練り込まれた物語に、つい続きが気になって、プレイし続けてしまうかも。

グラフィックやBGMなど

２０１６年の今、さすがにグラフィックなどは古さを感じる。しかし２０１３年当時としては、かなりの高クオリティであったのだ。特に、全体的に見易く、分かり易さのあるゲームデザインは秀逸で、スマートフォン向けゲームの１つの完成形ともいえる風格すらある。

また、登場人物や精霊たちのデザインはどれもキュートで魅力的。倒すモンスターたちもファンシーで実に親しみ易く、自然とゲーム世界への愛着が沸いてくる。

こういったキャラクターデザインという点からも、本作が幅広く支持されているゲームであることの理由を窺い知ることができるだろう。

総合評価

簡単操作と洗練されたシステムとゲームデザインにより、普段ゲームに触れることもない超ライトユーザーでも、思う存分楽しむことができる作品。

そして様々なゲームをやり込んでいるヘビーユーザーにとっては、属性効果と攻撃のタイミングといった戦略性の高さからバトルに手応えを感じることができ、さらにはキャラクター集めと育成の充実ぶり、また対人戦の熱さとレベルの高さなど、やり込むほどに奥深くなっていくゲーム性に、きっと満足できることだろう。

クイズの豊富さや更新具合もかなりのものがあり、クイズファンなどのユーザーにも最適なゲームといえる。

配信開始からもう３年以上も経つが、人気作のため今でも更新は頻繁。他作品とのコラボなども充実しており、まだまだ楽しむことができ、この先の展開を期待することもできる作品だ。