コミュニケーションアプリ「LINE」にて展開し、無料配信サービスされている本作は、織田信長やジャンヌ・ダルクといった時代や国を超えた伝説の英雄たちを操作し、戦闘に挑むアクションRPGである。
フィールドを縦横無尽に駆け回り、押し寄せる敵を薙ぎ払っていくという無双系爽快バトルを楽しむことができるだけでなく、ワンタップでド迫力の必殺技を繰り出せたり、操作する英雄を交替できたりと、スマートフォンというゲーム環境をよくよく考えられた簡単操作なシステムが搭載されている。
いつでもどこでも、そして誰でも気楽に大迫力のバトルを楽しめるアクションゲームだ。
ストーリー
舞台は神々や英雄たちの魂が眠る地「ヴァルハラ」……静謐な眠りの世界であったが、ある時、魔神ベルゼブブの闇の力によって時空間が歪み、魂を闇に呑み込む亀裂を奔らせてしまった。
多くの神や英雄が闇に呑まれてしまった中、なんとか逃れることができた英雄たちは、女神の力を借りて目覚め、闇との戦いに身を投じることになるのであった。
信長やジャンヌといった歴史上の英雄だけでなく、孫悟空などといった架空の英雄や、様々な時代の無名の英雄たちなど、多種多様なキャラクターが揃えられている。
キャラクターにはそれぞれしっかりとした説明書きやストーリーが用意されており、特に無名の英雄たちのテキストなど、ドラマ性が高く実に興味深いものがあった。キャラクター集めや育成も楽しめるゲームである。
ゲームシステム
本作ではユニット3体編成のパーティーに加え、5体のサブメンバーも設定することができ、バトル中に召喚したりすることができ合計8人ものキャラクターを使用し、育成することができるという、アクションゲームにしてはかなりのボリューム感に溢れている。
そんな大パーティーで挑めるのは、メインクエストとなるストーリーモードと、様々なゲームモードに挑戦するチャレンジモードというコンテンツだ。
このチャレンジモードには、お馴染のイベントダンジョンの他にも、タイムアタックを競う「王座の塔」や3VS3で戦う「決闘場」など、様々なものが用意されている。
ステージにはスタミナを消費することで挑むことができる。無数の敵を薙ぎ払い、一番奥まで到達すると強力なボスが出現。これを撃破するとステージクリアとなる。
操作はきわめて簡単で、タップした先にユニットが移動させるだけ。ユニットが敵に接近すると、あとはオートで攻撃してくれる。
プレイヤーは状況を見極めつつ、スキルボタンをタップして必殺技を繰り出したり、メンバーを交替させるだけでいい。
ユニットはドロップかガチャにより入手できる。強いユニットを得るには課金石「ジェム」が必要になるが、これはクエスト報酬でも入手できるので、ステージをどんどんクリアしていけば無料でもガチャを回すことは可能だ。
育成要素も充実しており、ユニットはステージ使用での経験値獲得の他にも、不要なユニットを消費して強化することも求められる。この両方で育てていき、英雄ランクとレベルを最大にできれば、進化させることができるようになる。
またドロップなどで入手した「ルーン」を装備させ、各ステータスを上昇させることもできる。
グラフィックやBGMなど
グラフィックのレベルはきわめて高くて、どのステージも美しく、キャラクターたちは実に華麗に動く。
キャラクターデザインは、この洋ゲーテイストなデザインが肌に合うかどうかで評価が分かれるところか。
ゲーム性、そして何よりも世界観にマッチしているように思うが、それでも日本的な美的感覚とは大きく異なるものがあるので、どうしても苦手だという人も多いかも。
好みが合うならば、服の刺繍まで入念に描き込まれた高度なグラフィックは、大いに楽しめるものになるだろう。
総合評価
LINEゲームというブランド力そのままに、潤沢な予算と人材を感じられるハイクオリティな作品。
特にシステム面では、スマートフォンという環境をよくよく理解した設定や機能がきっちりと揃えられていて、お手軽さと爽快感とが徹底的に追求されており、誰もがストレスを感じることなく遊べるように作られている。
ある意味これは、スマートフォン向けゲームの1つの到達点というか、完成形に近い形なのではないかとも思う。
ただそうなるとどうしても、もっとアクションを楽しみたい、難易度が物足りない、といったヘビーユーザーからは遠ざかる形ともなってしまう。
ライトユーザーにしても、あまりにオートでゲームが進行しすぎる作りは、すぐに飽きてしまうといった状況になりかねない。
そうなると重要なのは、メインクエスト以外のコンテンツの充実である。この点に関してはまだゲーム配信から間もないので、今後の発展に期待することができるだろう。
チャレンジモードなどにどんどん新しい要素を追加していくといった予告も出ているので、大いに期待していいのかもしれない。