本作は、指でバッターを動かして位置を調整し、飛んでくるボールに合わせて指を離してバットを振る、という操作だけを求められる、超シンプルバッティングゲームである。
バッティングのシチュエーションはタイトルそのまま「9回裏」で、プレイヤーは甲子園優勝を目指す高校球児となり、ひたすらサヨナラ勝ちのチャンスのバッターボックスに立つのだ。
9回裏のサヨナラチャンスなので、相手高校の得点を1点でも上回れば勝利となる。
地区大会から甲子園本戦まで全10試合を勝ち抜き、優勝の栄冠を掴み取ろう。
ストーリー
ストーリーは特になく、プレイヤーは突如としてサヨナラチャンスのバッターボックスに立たされてしまう。
とにかく飛んでくるボールを見極め、タイミングよく打ち返し、ひと振りでチームに勝利を与えるのだ。
試合は全10試合。地区大会1回戦、2回戦……と勝ち上がり、全高校野球児の夢、甲子園制覇の優勝旗を持ち帰ろう!
ゲームシステム
たった10試合。しかも全部が9回裏の攻撃だけ! なんだこれだけで優勝できるなんてチョロイな高校野球!
……と、舐めてかかった瞬間、プレイヤーは絶望の沼に落とされることになるだろう。
そう簡単にはいかないのが人生。1点でも相手より上回れば勝ちという状況は、同時にたった1球1打で敗北に終わるということでもあるのだ。
1回バットを振っただけで勝ったり負けたり……それが地獄の始まりであることを理解した上で始められるプレイヤーはそうはいまい。
優勝までの道のりは遠く、険しいぞ!
初戦の1打席目、まずはチュートリアル……というか、この画面の説明が本作の全てであり、本質なので、あとはひたすらに打ち続けるのみとなる。
ここで最も重要なのは、ノーミスで勝った時に貰えるボーナスポイントである。
先に進めば進むほど、こちらのタイミングを外してくる凶悪なピッチャーが出てくるので、アウトカウントを多くしておかなければとても勝利することはできない。
え? 野球は3アウトより増えないだろうって? そんな細かいことはいいんですよ!!
ピッチャーはストレートだけでなく、カーブにスライダーに、多種多様な球を投げてくるので、まずは選球眼が必要となる。
打ちごろの球を見極め、タイミングよく打ち返そう。打てばほとんどの打球が何故かフライ打球になる。つまり長打にならないと内野手に捕られてアウト。厳しいな!
フォアボール狙いも1つの手段だが、審判が対戦相手に買収されているのか、それともプレイヤーの高校が嫌われているのか、明らかに甘いジャッジをしてくるので、あまり期待はできない。
え? バント? そんな指示は監督から出てないよ!!(本作ではどういったわけなのかバントが一切できないのだ)
打てばランナーは自動で走塁してくれるので、本当にプレイヤーに求められるのは打つことだけである。打ってしまえば、あとはどうなるのかは神頼み。
相手の守備は堅実で、エラーもなさそう? 内野の当たりならほぼアウトにされるし、非情にもダブルプレーだって仕掛けてくる。厳しい!
ただ野手はみんな足が遅いので、やはり長打を狙うことこそが勝利への鍵となるだろう。
アウトカウントがいっぱいになってしまった時は、CM動画を見てあげると「泣きの1アウト」をくれる。無料スマートフォンゲームらしい収入稼ぎの方法だ。
グラフィックやBGMなど
グラフィックはまるでプロ野球中継を見ているかのような感嘆もののハイレベルさで、スマートフォンゲームとは思えないほどの再現性と美麗さがある。
正直の話、グラフィックなどのクオリティは取り立てて評価できるところはない。無料ゲームとはいえ、ちょっとお粗末すぎると感じる人もいるかもしれないが、かといってこのゲーム性で高いクオリティを出す必要性があるのかと考えれば、これくらいが適切なのではないかともいえるわけで。
考えようによっては、シンプル作品のテイスト、ギャグとして成立している、お手軽ゲームらしい省エネ性、などと評価することもできるのである。ゲームとは実に奥が深いものだ。
プレイヤーの口コミ
かなり酷いと言われています。
これは文句と捉えるのでは無く、改善点としてとらえてまた良いアプリを世に出して欲しいと願います。
作ったやつ野球やったことないだろwwwタイミングがおかしすぎるww
それと、一試合終了したらアウト数0にしてほしいまたはホームラン打ったらアウト数0のどっちかがほしい 2015/08/19
注意、これは野球ゲームではありません。
ランナーが消える、というのは致命的。アウトが繰り越されるというのなら、よくあるミニゲームって括りにすべきですね。少なくともスポーツの部類には入らないかと。 2016/01/10
まぁ意外と楽しい。意外と楽しいんですけどアウトの数が減らずに進んでしまうというのは結構不利だと思いますね。
あと、打球が遅いので結果が分かりにくいですね。 2015/09/09
ですがゲームの内容としては面白いなどと言った声もあるのも事実。
妙に癖になるみたいですよ?
総合評価
とにかくシンプルでカジュアルでテンポのいい、全てが明瞭なゲームである。プレイヤーに求められるのは指1本だけという究極に近い簡単さから、老若男女、誰しもがプレイできるといった間口の広さがある。
それでいて、簡単には勝てない難しさもあり、そもそもの「9回裏」という状況がギリギリの緊張感に満ち溢れていて、ゲームとしての歯応えはなかなか。
簡単そうに見えてやってみると、これがなかなかどうして地方大会制覇もできるかできないかといったきわめて高い難易度なので、気軽にプレイしてみたライトユーザーの悲鳴が聴こえてくるかのようだ。
一時期ちょっとだけブームになった『くまのプーさんのホームランダービー!』のノリが好きな人は楽しめること間違いなし。わりとクセになるゲームだ。