本作は、タイトルそのまま「三国志」のキャラクターや世界観を題材とした作品で、内容はリアルタイムシミュレーションRPGとなっている。
プレイヤーはオリジナル武将として三国志の世界に降り立ち、各武将たちの率いる槍兵や騎兵、戦車に弓兵、そして軍師といった様々な兵種を巧みに使い分け、会戦や攻城戦といったステージを攻略していく。
武将の育成方法が多様なだけでなく、自分の城や城下町を発展させていけるといった箱庭ゲームのような大ボリュームの内政モードまである作品。かなりのやり応えが感じられる。
ストーリー
ストーリーは、三国志作品によくある、黄巾の乱からスタートし、時代や国境を越えたオリジナル要素を入れつつ広がっていくといったもの。
女性キャラクターも多く、テキストは軽めのタッチというか砕けた口調のものがほとんどであるが、設定や展開、キャラクターデザインは硬派といえるものになっており、コアな三国志ファンや歴史好きのユーザーでも満足いくゲーム体験となるはず。
ゲームシステム
基本的には天下統一を目指して1つ1つステージを攻略していくのがゲーム内容となるが、マップが広大なだけなくコンテンツも豊富でやり応えは充分以上にある。
対人戦コンテンツもあり、とりわけ「軍団バトル」では、なんと最大1000人ものプレイヤーが参加して、都市の所有権をめぐるリアルタイムバトルを楽しめるようになっている。これは圧巻といっていいものだ。
バトルはリアルタイム制のセミオート形式。
プレイヤーがタップしたところに向かって進軍し、攻撃をしてくれるのだが、初めこそ力推しで難なく勝てるが、次第に敵が 強くなってくると、包囲や散開の指示や、待ち伏せや奇襲といった戦術が必要になってくる。
もちろん敵も伏兵などの計略を使ってくるので、こちらはさらにそれを考慮した動きをとっていかなければならない。
なかなかに歯応えのあるバトルを楽しむことができるだろう。
ストーリーを進行させていく武将同士の会話パートは、ちょっと軽いノリの台詞が多いが、それぞれたいへん個性があり、進めるほどにキャラクターたちに愛着が湧いてくることだろう。
バトルを重ねつつ、内政モードによる領地の運営も忘れずに行っていこう。
空き地に施設を建設したり、施設をアップグレードしていくことができるが、完成までに時間が必要になるので、効率よく発展させていけるように計算して動いていくことが重要となるだろう。
グラフィックや音楽
グラフィックやサウンドなど全体的にクオリティは高いといえるが、いささか演出が地味で、バトルは迫力に欠けるものがある。
そういったことにより爽快感が薄いと感じる人がいるかもしれないが、実はやり込んでいくほどに戦術性も戦略性も高くなっていき、かなり歯応えのあるバトルとなり、強い達成感を得ることはできる。噛むほどに味が出てくるゲームといえるだろう。
そんなゲームシステム以上に、キャラクターデザインがまた硬派で、三国志ファンであるほどに満足のいくものとなっている。
実はまだ50名程度とキャラクター数が少ないが、今後追加されていくはずなので、それを楽しみに待ちたい。
総合評価
細部に至るまで実によく作り込まれた良作であるが、とにかくたっぷり遊べるボリューム満点ぶりな内容が最も特筆できるところといえるか。
それだけに、ちょっとした時間の隙間に遊べるような気軽さがないように思えるかもしれないが、1つ1つコンテンツはテンポのいい作りとなっているので、絞ってプレイしていけば何の問題なく消化できるはず。
もう三国作品は飽きた、というユーザーにはさすがにオススメできないが、堅実な設計かつ、戦術性も戦略性も豊かなゲーム性なので、実はかなり本格的というか、硬派な作品ということもあり、実は最も三国志ファンが求めていたような形といえないこともないだろう。
スタミナ制などもなく、好きなだけ遊べるというのがまたありがたい。そうして黙々と、コツコツと、とことんやり込んでいけるゲームということで、本格作品を好むヘビーユーザーを中心にオススメできる作品ともいえる。