本作はディー・エヌ・エーより配信されている基本プレイ無料のスマートフォン向けゲームである。

ジャンルは対戦ゲーム＋ＲＰＧといった複合的なもので、オセロのルールをベースに、駒から召喚したキャラクターの特性やスキルを利用して、対戦相手のＨＰを削りきった方が勝ち、といった内容となっている。

相手の駒をひっくり返した分だけダメージを与えられるので、まず第一にオセロゲームの技術が必要となる。それに加えて、キャラクターの固有スキルや属性効果を効果的に使用するためのデッキ構成能力と戦略性も求められるので、歯応えのあるきわめてゲーム性の高い作品といえるだろう。

ストーリー

雰囲気と世界観は西洋ファンタジー風のものを感じるが、特にストーリーは用意されていないという、ちょっと不思議なところがあるゲームだ。

とりあえずプレイヤーは、神と魔と竜が住むこのオセロニアという世界で、様々な相手とオセロ勝負していくのである。

よくある「こうなったら料理で勝負だ！」みたいなものなのか、とにかくオセロで勝てばいいのだ。勝った方が正しい。そういうことなのである。細かいことは考えてはいけない。

ゲームシステム

ゲームを開始すると、まずは相性診断というものが始まり、最初の仲間となるキャラクターを選ぶこととなる。

といっても相性診断はあくまでおまけ要素のようなもので、提示されたキャラクター以外も自由に選択することができる。

この間にゲームデータをダウンロードしているようなので、これはなかなか気の効いた演出であるように感じた。

ゲーム内容は至ってシンプル。とにかく対戦、対戦、対戦を繰り返していくのだ。

オセロ勝負に挑む前にデッキを構築しないとならないわけだが、これはコスト制限アリの１６体ユニット構成で、リーダーに設定したユニットが必ず最初の手駒となり、あとはランダムで配布されてくる形式となっている。

またこのデッキユニットの合計ＨＰがバトル時のＨＰとなる。

デッキを強化していくためにはまずクエストに挑まなければならないが、これも同じく対戦形式なので、何から何までオセロ勝負が必要となる。

対人戦はリアルタイムで、勝利を積み重ね、リーグ戦を勝利して昇格することで限定キャラクターを入手することができる。

オセロ盤はオーソドックスなものから角のない特殊なものまで多数あるが、勝負は全て一般的なオセロのルールに従ったもので、プレイヤーは駒としてユニットを盤面に打ち込んでいく。

駒をひっくり返すと相手に攻撃できたり、ユニット固有のスキルを発動することができる。

スキルはそれぞれ発動条件が異なるので、まずはユニットの特性をよく理解していなければならないという困難さがあるが、慣れてくるとオセロの技術以上にスキル発動のタイミングが勝負の決定打となることが実感でき、よりゲーム性が増していくことだろう。

さらにユニット同士で敵の駒を挟むことによりコンボが繋がり、コンボスキルという特殊効果も発動する。こういった様々な要素が絡み合うので、かなり戦略性の高い、スリリングなゲームが展開できるのだ。

始めたばかりのプレイヤーと、経験を積み重ねたプレイヤーとの差は途方もない開きがあり、とても追いつける気がしないかもしれない。

しかしながらユニットは育成や進化をすることもできるし、クエスト報酬でガチャを回したりすれば一気にデッキを強化することもできる。

ある程度、デッキのＨＰを高められれば、あとはオセロの腕とスキルの使いどころを見極める戦略性で逆転劇を作り出すことも可能だ。

グラフィックやBGMなど

オセロゲームである共にカードバトルという要素が強い作品なので、ガチャによって得られるキャラクターたちにはかなり力が入っている。それも単に綺麗なグラフィックというだけでなく、ジャンルに偏りのない多種多様なキャラクターデザインで、個々の趣味に合ったデッキを構成していく楽しみがある。

特にキャラクターが繰り出す固有スキルや必殺技のエフェクトが実に美しく、コンボを繋げられた時の爽快感はかなりある。

またキャラクターには人気声優によるボイスも搭載されていて、よりコレクション魂を刺激される。

プレイヤーの口コミ

オセロで対戦するというありそうで無かったゲーム性を待っていた人も多いようです。

ですがやはりガチャで当たらないという文句で点数下げているユーザーの口コミがよく見られました。確率の問題かと思われるのですがどうなんでしょう…

あと別の問題点もあるようです。

相手が切断しましたので対戦終了しますとか表示はされないのですかね？

でなければしてほしいところです。

総合評価

オセロとカードバトルといった二つの大きなゲーム性がマッチして、ほどよい緊張感と爽快感があるたいへんゲーム性の高い魅力的なゲームである。

ただカード集めなどのＲＰＧ的要素があるわりには、ほとんどストーリーも用意されておらず、淡々と対戦していくだけという流れになっているのは少し惜しい気がする。やはり次のステージへと進んでいける達成感というものは欲しかった。

しかし一方でそれは、ストイックなまでの「対戦ゲームへの特化」であるともいえる。余計なものを削ぎ落とした、とにかく対戦を楽しんでほしいという制作の拘りと捉えることもできるだろう。

よって本作は、オセロ好きや戦略性の高いボードゲーム好き、またカードバトル好きや、対人戦に熱中できる方にオススメできるゲームといえる。