本作は週刊少年マガジンで連載中、テレビアニメシリーズも大ヒットの「七つの大罪」を題材とした、スマートフォン向けRPG作品である。
原作やアニメに登場するキャラクターたちで自由にパーティーを編成し、ボイス付きで進行するストーリーを楽しみながらのバトルを楽しむことができる。
完全に作品のファン向けのタイトルでありながらも、簡単操作で迫力ある戦闘を体感できるバトルや、キャラクター育成に酒場経営といった高いやり込み度のシステムなど、ゲームとしての完成度もなかなかのもの。作品への入門編として遊ぶにも適しているかも。
ストーリー
基本的にはアニメ版のストーリーが忠実に再現され、追体験していくような内容であるが、原作だけのエピソードを外伝として追加していたり、キャラクター個別シナリオを用意していたりと、作品ファンにとってはたまらない内容になっている。
またアニメのシリーズ展開に合わせてのエピソード追加、さらにはゲームオリジナルシナリオの追加など、更新は頻繁で目が離せない。
そういったストーリーモードは、アニメ版と同じ声優による新録ボイス演出によって彩られており、声優ファンも注目できるところがある。
期間限定のコラボシナリオなども充実していて、大人気作品「進撃の巨人」とコラボした際には、主役声優が同一人物という点を上手く利用した面白味のある展開を見せていた。
公式による紹介
【七つの大罪】のストーリーを体験しながら、大迫力バトルで敵をなぎ倒せ!
■【七つの大罪】のストーリーを追体験
アニメの感動をもう一度、数々の名シーンをスマホで追体験。
■魅力的なキャラクターが勢揃い
メリオダスから、ギルサンダーまで、君の好きなキャラクターで騎士団を結成できる!
ゲームオリジナル衣装の大罪たちも登場!
まだ見たことのない大罪たちに会える!?
■全員の力を結集して、大技スキル・連撃を発動
騎士団全員の力を合わせて最大攻撃力の大技・連撃を発動、敵を一撃で倒す威力は連撃ならでは!
■撮り下ろしボイス多数で大罪が喋りまくる
バトル時はもちろん、ゲームのいたる所で大罪たちや聖騎士達が喋りまくる!
梶 裕貴、雨宮 天、久野 美咲、悠木 碧、鈴木 達央、福山 潤、宮野 真守(他)
ポケ騎士で…、<七つの大罪>と旅に出よう!
ゲームシステム
ストーリーは所々にボイスが付けられており、作品ファンはテンション上がること間違いなし。
メインクエストの前後にアドベンチャーパートが挿入されて進行していくので、原作未読のプレイヤーでもきちんと話を追えるようになっている。
コンテンツ数はそれほど多くないが、原作でも拠点となっている「豚の帽子亭」ではお客さんからコインを貰ったり、万能コックに回復アイテムを作ってもらったりと、バトル以外にも楽しめる要素が満載。
さらに施設は拡張したりアップグレードしたりもできるので、箱庭ゲーム的要素もある。
クエストはたいへん充実しており、盛りだくさん。
ゲーム描きおろしのエピソードやキャラクター個別のシナリオなども用意されており、ファン必見の内容となっている。
バトルはタッチとスワイプだけで行える簡単操作で、きわめてオーソドックスなシステム。
ただ「デッドリースキル」という固有スキルを発動した時に発生する、原作漫画と同じ書き文字と共に挿し込まれるカットインは迫力満点でカッコよく、決まった瞬間はかなりの爽快感がある。
さらにスキルを全員一斉に発動させた際には、超必殺技ともいえる「デッドリーシンズ」という状態になり、多大なダメージを与えることもできる。この爽快感と迫力は実に素晴らしいのでぜひ体感してほしい。
また本作では、オーバーキルをすればするほど戦闘報酬を多く貰うことができるので、あえて敵のHPをギリギリに残したところでデッドリーシンズをキメる、といった戦略がポイントとなってくるだろう。
グラフィックやBGM
グラフィックは超美麗の大ボリュームとまではいえないものの、3Dの作り込みなどかなりよくできていて、完成度は高い。特にSD調でありながらも、キャラクター同士の身長差を表現できている描写などは秀逸。原作に対する深い愛情を感じ取ることができる。
またバトル時の、アニメ絵漫画絵によるカットイン演出などは迫力があり、爽快感もある。
この演出があるからこそ、コンボを組み上げる楽しみが生まれるといっても過言ではない。
そして何よりも、ゲームデザインが最高。例えばガチャは「団員募集」という表現で書かれていたり、ちょっとしたアイテムも全て原作に登場したものだったりと、世界観の構築度が高く、作品ファンであればあるほどハマり込んでしまうことだろう。
対人戦の表記が「喧嘩祭り」というのが個人的にはとても好きだ。
総合評価
どうせキャラゲー、されどキャラゲー。意外に侮れない作りというか、1つのRPG作品としてかなりよくできているので、単なるファン向け作品とはとてもいえない完成度の高い作品となっている。
とりわけ「オーバーキル」を目的とした爽快感溢れるバトルなどは素晴らしく、作品ファン以外の方にもぜひ一度試していただきたいと、強くオススメすることができるだろう。
ただスマートフォン向け作品にありがちな「ガチャ頼り」のキャラクター入手や、そのガチャにおける強キャラ出現率の悪さなど、せっかくのゲームの面白さの半減させてしまっているシステムは残念。
作品ファンであっても、お気に入りのキャラクターが手に入らないのではすぐにやめてしまうかも。