『LINE ゲットリッチ』は無料スマートフォンアプリ「LINE」にて展開するゲームサービス「LINE GAME」において配信されている、基本プレイ無料のボードゲームである。
内容はいうなれば「モノポリー」ゲームで、ボードマップに表示された世界各地の都市に投資し、買収し、物件を建て資産とし、他プレイヤーから通行料を搾取し、プレイヤー同士で総資産額を奪い合う、といったマネーゲームとなっている。
リアルタイムのマルチ対戦により、緊張感ある駆け引きが楽しめる作品だ。
ゲームシステム
ストーリーは別段用意されてなく、各キャラクターは育成要素こそあるが深いエピソードやシナリオ等は付けられておらず、説明文だけで、見た目ほどの個性は感じられない。
とにもかくにもサイコロを振り、土地を買い、建物を建て、ライバルの他キャラクターたちを破産させるように企むのだ。
ボードゲームに物語は不要!と、ストイックに対戦を楽しみたい人には適したゲームといえるだろう。
『LINE ゲットリッチ』ではプレイヤーは自分と分身としてキャラクターを操作し、ボードの上を歩かせる。それぞれ能力値が異なり、固有スキルも持っているので、自分に合ったキャラクターを探していく必要もある。
初めに1体を選ぶわけだが、実はチュートリアル戦が終われば、すぐに他のキャラクターもたくさん手に入るようになっているので、ここではあまり悩む必要はない。まずは直感で選んでもらってかまわない。
各キャラクターは報酬やガチャなどで手に入れる事が出来る。
クラスが高ければ高いほどステータスが優秀で、しかも有効性の高いスキルを有しているので、強くなるためには課金が必要となるが、この課金ダイヤモンドもクエスト報酬で貰うことができるので、対戦を始める前にスタートボーナスなどで貰ったダイヤモンドを惜しみなく使い、最低でもAランクのキャラクターを入手しておこう。そうしないと低クラスの対戦でも勝つのは難しい。
キャラクターは強化や合成でどんどんパワーアップさせることもできる。メインで使う以外のカードはどんどん溶かして、お気に入りの1体を強くしてしまおう。
まずは初心者限定のイージーモードで対戦してみよう。イージーとはいえかなりシビアな戦いになると思うので、心してかかろう。
自分がそうするように、対戦相手の他プレイヤーも情け容赦なくあなたを追い落とそうと動いてくる。皆が金の亡者であり、どんな汚い手を使ってでも勝とうと足掻くのだ。やられる前にやるしかない!
ボードはサイコロを2つ振って、出た目だけコマを進め、空き地に止まればその土地を買収することができるし、誰か他のプレイヤーの土地に止まってしまうと高い通行料を支払わなければならない。だがこの支払時に、一発逆転で、倍額を叩きつけて買収してしまうことも可能だ。
既に自分が買収済みの土地に止まった時は、開発を重ねることができる。住宅からビルへ、ビルからランドマークへと発展させることができ、地価を上げることができる。
ランドマークまで成長させて、そこにライバルが止まってくれたら、一気に破産に追い込むまでのダメージを与えることも可能だ。
金だ、金が全てなんだ!
基本的に同じ画面が延々と繰り返されるだけなので、絵としてもすぐに飽きがきてしまう。
サイコロや買収などでの演出はなかなか爽快感があるが、これもワンパターンなので、慣れてしまえばテンポを遅くするだけの余計なものとしか感じなくなってしまうのが残念。
キャラクターの数も多いように見えて、これもそれほど豊富にパターンがあるわけでもなく、また思ったより各キャラクターの個性も薄いので、ひとしきり育成してしまえばキャラクター集めもすっかり落ち着いてしまう。
世界各地の様子を描いたグラフィックはなかなか良い。ちょっとした旅行気分を味わうことができる点は高評価だ。
総合評価
ごくごく普通のモノポリーとしかいえないゲーム内容で、類似するゲームも多く、遊びつくされた感すらある作品だ。
しかしそれでもなお人気があるというのが、モノポリー型ボードゲームの奥の深さである。底の知れない面白さを改めて感じさせてくれる。
かつては大きなボードを広げ、家族や身近な友人としかプレイできなかったゲームが、今では気軽に携帯端末で、いつでもどこでも誰とでも対戦できるとは、実に素晴らしいことだ。
対戦相手によっては戦局が拮抗して、1ゲームが終わるのに時間がかかることもあるが、概ねサクサクと勝負はつくようになっているので、ちょっとした合間にひと勝負ということも可能。
ボードゲーム好き、特にモノポリー型ゲーム好きにはオススメできる作品である。
実はつい先日、小学5年生になる甥っ子がタブレットでゲームをしていたので「それなんのゲーム?」と尋ねたところ、今回船長が紹介している『LINEゲットリッチ』でした。
甥っ子が夢中でプレイしている画面を見た時に、「今どきの小学生はこんなゲームやってんのか~」と感心したものですが、まさかここまで本格的なマネーゲームだとは思いもせず、船長からゲーム内容を聞いて驚きを隠せません!!
そういえば、私も小学生の頃は人生ゲームに夢中になったので、一見難しそうに見えるゲットリッチも、背伸びをしたい年頃の子供からすれば、とても新鮮でちょっと大人の気分を味わえて楽しいのかもしれませんね。