NetEase Gamesより配信されている本作は、複数のプレイヤーが、サバイバー4人とハンター1人に分かれて、脱出か全員捕獲を競い合うという、マルチプレイ方式のホラーアクションゲームである。
世界中でヒットしている「Dead by Daylight」に酷似した内容であるが、それもそのはず、開発したカナダのゲーム会社Behaviour Interactiveと提携し、ゲームシステムも許可をとって開発しているのである。
これは言ってみれば、「Dead by Daylight」のスマートフォン版であり、スピンオフ作品的なものなのだ。
ストーリー
対人戦がメインコンテンツである本作であるが、ストーリーも充実しており、このシングルプレイが、長い長いチュートリアルとしても機能している。
スキップすることも可能だが、特殊なゲームシステムを理解するために必要不可欠であるし、またキャンペーンモードとしてたいへん優れたデキなので、ぜひプレイしてもらいたいところだ。
内容は、謎の連続失踪事件を追ってやってきた探偵を操作して、推理し、隠されたサバイバルゲームの記録を掘り起こしていくといったもの。
このパートは何度でもプレイすることができるし、アイテムを獲得することも可能だ。
ゲームシステム
没入感たっぷりの冒頭。
ゲーム内容を知らなければ、このまま本格アドベンチャーゲームがスタートすると錯覚するほどの作り込みだ。
プレイヤーは探偵を操作して、森の奥深くにある、朽ちた屋敷を探索することになる。
操作は画面左下のバーチャルパッドで。
ナビに従って探偵を動かしていこう。
発見した物の細部をタップして詳しく調べていくと、探偵が分析してくれる。
隠された謎を解き明かすのだ。
ある程度、物証が集まれば、探偵は推理を始める。
ここからがいよいよチュートリアル本編。
かつて行われたであろう凄惨なサバイバルゲームの記憶を想像するという形で、展開していく。
まずはサバイバーの操作から。
サバイバーはとにかくハンターから逃げ回り、閉鎖空間から脱出するのが目的となる。
脱出には、様々な場所に設置された「暗号機」を解読して、扉を開けるためのコードを解明しなければならない。
サバイバー側は4人もいるので、互いに助け合うことが必要。
解読役、見張り役、治療役など、それぞれのロールに合わせた立ち回り方が勝敗を分けることになるだろう。
サバイバーは基本的に無力。ハンターの圧倒的な力で気絶させられてしまうと、ロケットチェアに拘束され、一定時間で打ち上げられ、「荘園」に追放され、ゲームオーバーとなってしまう。
こうなったら、懸命にもがくか、仲間の救援を待つしかない。
ハンター側にとっては、この追放を達成することこそが目的となる。
キャラクター数は多く、それぞれに様々なスキルを持っている。
プレイ報酬で獲得したポイントを消費して、新しいスキルのアンロックなど、育成要素もある。
他にも、衣装の変更など、カスタマイズすることも可能。
ガチャを回して、ユニークなアイテムを入手しよう。
ハンター側は圧倒的な力を有するが、独りぼっちというハンデがある。
サバイバー側の4人が上手くチームプレイを組めていると、あっちこっちに対応しなくてはならなくなり、あっという間に行動も思考も追いつかなくなってしまう。
だがそれを補うためのスキルも用意されており、プレイを重ねて「存在感」という値を蓄積していけば、サバイバー同様に育成することができるのだ。
サバイバーにもハンターにも、それぞれ弱点があり、ゲームバランスは絶妙であるといってもいい。
常に緊張感のあるバトルを楽しめるだろう。
グラフィックや音楽
まず、あまりにも不気味で独特なキャラクターデザインに注目せざるをえない。手作り人形のように表現されたサバイバーたちや、奇妙奇天烈な風貌と大きさのハンターたちは、どれもかなりのインパクトがあり、印象深い。
またこのホラーな世界観を最大限に活かした背景や、ギミックや小道具の数々もたいへん魅力的。
さらにキャラクターは種類が豊富なだけでなく、ユニークなスキン(着替)も多数揃っており、やり込むほどに濃いゲーム空間を作り出していくことができるだろう。
総合評価
特殊な世界観とゲームルールという、独自性に溢れた作品。それをスマートフォンというゲーム環境に最適化したものでもあるので、既に「Dead by Daylight」で体感したことがでるというユーザーでも、なかなか新鮮味のあるプレイ感を得ることができるのではないだろうか。
逃げる者も追う者も、相手の心理を推理して、行動を先読みすることこそが肝となるゲーム内容。ホラーの雰囲気と、対人戦の緊張感を楽しめるユーザーならば、ぜひ遊んでみてほしい秀作である。