『ドラゴンストーリー: ホリデー』は自分の島でドラゴンを育てつつ、畑や施設を設置し、アップグレードさせていくといった箱庭育成シミュレーションゲームである。
ファイヤードラゴンからフェアリードラゴン、はたまたサボテンドラゴンにねじまきドラゴンなど、400を超えるという多種多様で個性豊かなドラゴンたちを自由自在に育て、進化させていくことができる。
ミッションをこなしつつ、島の施設や機能を充実させ、自分だけの理想のドラゴン島を作っていくのが目的となるので、じっくりと都市を構築したりキャラクターを育成していくのが好きといったプレイヤーには最適のゲームである。
ゲームレビュー
『ドラゴンストーリー: ホリデー』では取り立ててストーリーというものは用意されておらず、プライヤーは唐突に島とドラゴンの育成を任されることになる。この大雑把さはいかにも海外製のゲームといえるものがあり、また実にシミュレーションゲーム的ともいえるだろう。
ただ現実のシーズンに合わせて、ハロウィン仕様などにチェンジするので、季節感やイベント感を味わうことができるので、早期マンネリしないで済みそうなイメージだ。
まずはチュートリアルに従って操作していこう。
プレイ内容はとてもシンプルで簡単。育てたいドラゴンの卵を巣に置き、孵化するまで待つ。生まれたら住居に移し、餌を与えて成長させ、進化させていく。成長し、レベルが上がれば、ドラゴン同士を交配させて新しい卵を産ませることもできる。
ドラゴンを成長させるのに必要な餌は畑などから作り出さなければならないが、これも時間で自動的に生成してくれるので、設置すればあとは待つだけ。
施設の建設やアップグレードにはコインが必要になるが、これはミッションをクリアしていけば報酬として獲得することができる。
ドラゴンの種類はとても豊富でボリュームたっぷり。きっとお気に入りのドラゴンに出会うことができるだろう。
本作では、デコレーションのアイテムなども多々あり、自分だけのオリジナル島を作り出すことが可能。箱庭要素も、軍事施設や農業系とは違った楽しみ方が出来そうだ。
レベルアップしていけば、島の面積もどんどん拡張していく。やがて広大な土地で、好きなように交配や育成を行うことができるようになるだろう。
ソーシャルボタンで他プレイヤーの島を訪問し、他プレイヤーのドラゴンと遊ぶこともできる。遊んであげると経験値などを獲得できるだけでなく、稀にこちらの島に遊びに来てくれることなどもある。
総合評価
グラフィック
正直なところ全体的にクオリティはあまり高いとはいえず、音楽はチープで、グラフィックも甘いところが多く、また同種の箱庭系シミュレーションゲームに比べてモーションの動きもあまりよろしくはない。
そもそもゲームデザインそのものが、過去の同種ゲームと酷似しすぎていることも気になってしまう。きっと多くのプレイヤーが既視感を感じてしまったことだろう。
しかしながらドラゴンの種類の多さや施設やデコレーションのバリエーションの豊富さなど、ある種の改良点もいえるのか、とにかく良い面も多くみられる作品でもある。全体的に小さな子どもでも遊び易いようシンプルに画面が作られているのも好感が持てる。
ファンシーさに特化したデザインも良い。親しみを持つことができる。
口コミ
『ドラゴンストーリー: ホリデー』のダウンロード数はそこそこ伸びているのだが、なぜか口コミ件数が少ない。しかし、ゲームの評価自体は高く、AndroidでもiOSでも4点以上をキープしている。
ドラゴンストーリーのような箱庭系育成シミュレーションが好きだという方には、この世界観はたまらなく面白い事だろう。
感想
前述にもある通り、過去の同種ゲームとあまりにも似すぎているという点はどうしても気になってしまう。パクリゲームとまではいわないが、基本的なシステムそのものに差異が見られないのはいささか問題ではないかと思う。
ただ考えてみれば、こういったことは例えばスーパーファミコンの最盛期などにはよくあったことだ。あまりにも作品が作られすぎて、作る側も皆、もはやオリジナリティを追求するのが辛くなっているところがあるのだろう。それでもその苦しみの上で、新しい作品を作り続けねばならない。
もちろん本作にも、その苦心の跡はしっかりと見ることができる。例えば育成と建造以外の、戦闘などといった要素を一切排除した点だ。これによって、実に平和に、箱庭ゲームを楽しみ続けることができるし、ストレスも少ない。小さな子どもにだって安心して遊ばせることができる。
ドラゴンのデザインには「カワイイ」と「カッコイイ」が両立し、どちらにも好きなように育成できるので、男女問わずに楽しむこともできるだろう。
育成やアップグレードに多大な時間がかかってしまうのはマイナス点かもしれないが、それはちょっとした時間の合間に進めていくにはちょうどいいという、きわめて現代のゲーム環境に適した作りであるともいえる。
隙間の時間を使いながら、じっくりと長くゲームを楽しんでいきたいプレイヤーにオススメしたい作品だ。