gumiより配信されているドールズオーダーは、ロボットではなく美少女型の騎士「ドール」を操って２VS２の本格３Ｄアクションバトルを楽しむことができるという作品。

バーチャルパッドを使ってのスピード感溢れる操作性は、例えるならバーチャロンやガンダムバーサスといったところか。

こうした迫力ある本格的バトルを、基本プレイ無料のスマートフォン向けゲームでも楽しめるようになるとは、もはや驚くしかない。

また、気軽にオンラインバ対戦を楽しめたりと、スマートフォンというゲーム環境を最大に活かした作りも見事なもの。

さらに、ストーリーモードがあったり、ドール個別のシナリオが用意されていたり、育成要素が豊富だったりと、ＲＰＧ要素も充実しているので、色々な楽しみ方ができるようにもなっている。

ストーリー

ゲームの舞台となっているのは、文明が衰退したＳＦ世界。

プレイヤーは統治機構「キャメロット」の一員として、ドールたちと共に様々な任務にあたることとなる。

ドールたちとは、人間の女の子のように触れ合うことができ、親密になって個別のシナリオを見ていくこともできる。

ロード中に１コマ漫画が表示されたりと、各ドールの掘り下げ方が実に上手く、プレイするほどに愛着が湧いていくかのよう。

バトルゲームには珍しいと思えるほど、物語や設定が充実した作品である。

ゲームシステム

まだ配信から間もないということもあって、コンテンツ数は少なめ。

対人戦など、一通りのものはきちんと揃えられてはいるが、今後の追加に大いに期待したいところだ。

クエストは量が豊富で、やり応え充分。

イベントも充実しており、画像にあるように、ヴァーチャルユーチューバー「キズナアイ」とのコラボなど、実に「旬な企画」が打ち出されている。

バトルは仲間と協力しつつ敵ドールの破壊し、ＬＰゲージを０にできれば勝利となる。

ステップやブーストなどのアグレッシブな動作で相手の隙を突く、というのが基本的な戦術となる。素早い操作の他に、常に戦況を把握し臨機応変に動くことができる判断力が必要となるだろう。

メインストーリーはアドベンチャーパートで進行していく。

テキスト量も膨大なので、ストーリー重視のユーザーも満足いくかも。

プレイアブルキャラクター「ドール」は、主にガチャで獲得できる。

ドールは、アタッカー、ディフェンダー、サポーターという３つのタイプに分かれているだけでなく、ソードやランス、アックスにライフルなど、使用している武器も異なるので、多彩なアクションを楽しむこともできるだろう。

グラフィックや音楽

グラフィックを中心に、クオリティはたいへん高い。

とりわけ「機動戦士ガンダムＯＯ」シリーズなどで有名な水島精二監督によるオープニングアニメーションは必見もの。

またバトル時におけるカットインや必殺技の演出などもたいへん素晴らしく、熱い。操作性の良さも相まって、プレイにたいへんな爽快感が生まれている。

そして個性豊かなドールたちには、水瀬いのりに藤井ゆきよ、佐倉綾音に高森奈津美、竹達彩奈に花澤香菜といった、今をときめく大人気女性声優たちが数多くキャスティングされている。アニメファンや声優ファンも大いに注目できる内容といえるだろう。

総合評価

クオリティや完成度の高さだけなら、コンシューマーゲームなみの良作といえるものがある。ボリュームも膨大なものなので、満足感はかなり高い。

ただそれだけに、必要なスペックが高く、容量も多く必要となる。一応、対応端末はiOS:8.0(iPhone5S)以上、android:4.1以上となっているが、その最低ラインではおそらく快適には動作しないだろう。

またオンライン対戦中のラグなども、どうしても気になってしまう。通信量も心配になり、外出先で気軽にプレイできる雰囲気ではない。

スタミナ不要のシステムとなっていることもあって、どちらかというと家などでしっかり腰を据えてプレイするゲームであるともいえる。

しかしそうなると、スマートフォンではなくテレビの大きい画面で遊びたいという気持ちがプレイするほどに強くなっていく。やはり小さい画面にこの内容はちょっともったいなく感じてしまうのだ。

たいへん面白いゲームであるが、そういったもどかしさのようなものもある。スマートフォン向けゲームとしては、なんとも評価が難しい作品だ。