『バーンアウトシティ』は上から見下ろした箱庭のような街を車でひた走り、追いかけてくる警察に捕まらないようにしながら、様々なミッションをこなしていく、といったカーアクションゲームである。

車は道路だけでなく、歩道だろうが他人の庭だろうが家だろうが店だろうが、おかまいなしに爆走することができ、建物を破壊することも可能。

ひたすら走りまくるという昔のファミコンソフトのようなシンプルな内容でありながらも、そういった破天荒さや自由さによって、大いに愉快痛快な作品になっている。

特徴

ストーリーは特に用意されておらず、とにかくプレイヤーは、怪しさ満点のキャラクターたちから出されるミッション（依頼）をこなしていく。その内容は一定時間以上警察から逃げ回ることや、指定の場所まで荷物を届けるなど、様々だ。

まぁどう考えてもプレイヤーがやっていることは犯罪なので、きっと立場はマフィアの構成員か何かなのであろう。いや、アンダーグラウンドな依頼も引き受けるなんでも屋という設定でも面白い。設定がないからこそ、こうした脳内妄想でよりゲームを楽しむことができるかも。

ゲームシステム

『バーンアウトシティ』の舞台となる街。様々なミッションを受注して、報酬のキャッシュをガンガン獲得していこう。

初めはデフォルトの普通乗用車しか使えないが、キャッシュが溜まれば新しい車両が購入できる。そのラインナップはかなりのもので、高性能車や高額車だけでなく、トラックやスクールバス、さらに機関車などの、もはや車ではないものまで。

果ては飛行機だって購入することもできるので、キャッシュ集めのためにも、ミッション挑戦にさらに熱が入るというもの。

ミッション受注画面……明らかに裏の世界の人しかいないが、あまり深く考えてはいけない。とにかく内容や報酬額などを確認し、受注していこう。

またミッションは、街中にあるミッションマークを取ることでも受注することができる。果敢にチャレンジすべし。

ゲームをスタートすると、プレイヤーの車はショーウィンドウを突き破ってド派手に登場。どうやら盗難車を乗り回すというということらしい。一番気に入ってるのは、値段だ！

街を走る回るまでもなく、即警察が追いかけてくるので、まずは逮捕されないよう逃げ回ろう。この優秀な警察官たちの猛追を振り切ってミッションを達成すれば報酬が手に入る。

ただ逃げれば逃げるほど「指名手配ゲージ」が上がっていき、段々と警察もパトカーだけでは埒が明かないと、装甲車などを投入してくるようになる。

それでも逃げ続ければ、ついにはヘリなどもやってくる。そして日本の優しい警察と違い、彼らは遠慮なく発砲してくるのだ。車両を破壊されてもゲームオーバーとなる。これに対抗するには、乗用車ではなく、もっと強力で頑丈な車両を購入するしかない。

ステージ終了時には様々なアイテムを入手することもできる。段ボールを開封すれば、そこにはステキなアイテムが。

手に入れたポイントなどでガチャに挑戦したりもできるので、どんどんステージに挑み、アイテムを入手していこう。

総合評価

グラフィック・BGM

一見すると３ＤＯとかの昔のポリゴンを思い起こさせるグラフィックだが、これはあえてそうしているといった印象で、実際にプレイしてみると「おもちゃ感」のようなものを感じ取ることができ、他人の財産を破壊するという明らかな犯罪行為にもそれほど罪悪感を覚えないようになっている。

よくよく見ると車のグラフィックなどはかなり作り込まれているのがよくわかる。貯まったキャッシュで購入できるユニークな車の数々も、どれもよく描かれており、さらに集めていく楽しみが増していくことだろう。

評価

『バーンアウトシティ』はシンプルゲームであるが、とにかく広いマップに高い自由度と、なかなか侮れないデキの作品である。

独特すぎるラジコン操作は難解で、これでかなりのユーザーを遠ざけてしまっているように思うが、実はこの操作性の悪さは破天荒なドライビングへと直結するので、かえって本作の面白さを引き出してくれるようにも感じられる。例えば運転を誤って警察の作ったバリケードに衝突……するとボーナス値が加算され、大量のキャッシュを獲得することができる。その時プレイヤーは、なるほどこういうゲームなのかと全てを理解できることだろう。

そして本作の真骨頂は、操作に慣れ、貯まったキャッシュで高性能な車を購入した時に訪れる。もはや警察車両など相手にもならない無双状態で、街を好き勝手に蹂躙……日頃溜まったストレスを、全てここで吐き出すことができるのだ。これはちょっとした暇つぶしにストレス解消ができるゲームなのである。