個人制作によるインディーズアプリゲームの続編。前作は発想の勝利でヒットしたが、今作ではそこに更なるボリュームアップを加え、より魅力的な面白味のある良作へと進化させている。
ジャンルはRPGで、3つの軌道で武器を飛ばし、敵を倒すというシンプルなものだ。だがシンプル故に奥深く、実際にやってみるとこれがまた面白いのである。
3つの武器の軌道はさながらジャンケンのようであり、時には相殺、時には裏をかいての投擲と、幅広い戦略が練られるようになっている。
さらには多種多様な武器、必殺技の数々で、よりアクティブな戦闘も楽しめるだろう。さあ、武器を投げまくれ!
ストーリー
ストーリーは前作から繋がっているものだが、前作をやっていないと意味不明ということもなく、この「2」からでも自然に作品世界へと入っていけるだろう。
舞台は空に浮かぶ島「フォルセリア」
プレイヤーが操る主人公は島の領主。
領主は「武器の複製を投げる能力」を有しており、その力を使って武器を投げまくっては魔物を退治し、島の平和を守っているのであった。
そしてある日、翼竜「ワイバーン」を退治したことをきっかけに、島の命運を左右する重大な事件へと繋がっていく。
はたして領主は、島の平和を守り切ることができるのであろうか。
公式のアプリ紹介
ゲームシステム
ゲームスタートすると、やや乱暴にチュートリアル戦が開始される。とにかく分かり易いゲーム内容なので、すぐにプレイに慣れることだろう。
シンプルなゲームだが、やり込み度はなかなかのもの。
主人公やパーティキャラクターだけでなく、ペットも育成できたりと、育成要素は充実。さらに多種多様な武器の精製や強化、必殺技の習得など、収集要素も満載。
簡単には飽きが来ない。
戦闘はとにかく武器を投げること。それだけ。
ただ真っ直ぐの軌道、低い放物線、高い放物線と、軌道は分かれており、敵と同じ軌道に投げて相殺したり、攻撃をくらいながらも反撃したりと、プレイヤーは自由な戦略で戦うことができる。
相殺で防御しながらチクチク戦っていってもよし、BP(行動値)を溜めて一気に猛攻撃を加えて打ち倒してもよし。
キャラクターによっては意外な戦い方もできるかも。
闘技場など、サブコンテンツもちゃんと用意されている。
連勝で強力な武器や便利なアイテムが入手できるだけでなく、たいへん嬉しい「武器枠+1」などの特典もある。これで投げられる武器の枠が1つ増えるということは、それだけ戦いのバリエーションが倍増するということでもある。
なので、積極的に挑戦してみよう。
グラフィック
グラフィックは、かつてのスーパーファミコンのRPGを思い起こさせる作りとなっており、どこかノスタルジックな雰囲気が醸し出されている。決してハイクオリティというわけではないが、これはこれで独特の味わいとなっており、たいへん趣き深い。
メニュー画面などがとにかく丁寧に作られており、様々なことが分かり易い。そうしてシンプルな内容をシンプルな設計で作っているので、たいへん遊び易くもある。ゲームデザインは大いに高く評価することができるだろう。
序盤は少しバトルのテンポが良くないように感じられるかもしれないが、これは先に進み、武器が強化されていくと、一気にアクティブかつスリリングなバトルへと大きく変化する。それに比例して面白さも増していくことだろう。
総合評価
発想の勝利、という点だけが優れていた前作から、大幅なパワーアップを遂げた本作は、面白さもやり応えも充分に味わえる良作へと進化している。
大企業の高クオリティゲームがズラリと並ぶ中だからこそ、こういう手作り感溢れる、ほっとできるような良作、そして改めてゲームというものの奥深さを教えてくれるような快作が現れるのは、ゲームファンとしてたいへん嬉しいことだ。
とことんシンプルな内容なので、どんなプレイヤーでも楽しめるだろう。
またたいへんお手軽なので、どんな時、どんな場所でも気楽にプレイできるのも魅力的。
広くオススメしたい作品だ。