本作は、タイトルそのまま「バドミントン」を題材とした対戦型スポーツゲームで、ラリーとスマッシュの軽快なアクションを楽しむことができる。
バドミントンを題材としている時点で珍しさがあるが、さらにそれを2Dサイドビュー画面で表現していることにまた特色がある。
どことなく昔のファミコンで遊んだようなカジュアルさのあるゲーム性で、気楽にプレイすることができる作品だ。
ストーリー
洋ゲーの、さらにスポーツゲームということもあって、ストーリーなどは一切用意されていない。
プレイヤーはアバターとなるプレイヤーキャラクターを作り、あとは淡々と試合を続けていく。
ローカライズに失敗しており、メニュー画面の日本語が既におかしかったりするが、表示されているアイコンなどからなんとなく想像はつくはずなので、問題なくプレイできるだろう。
ゲームシステム
ゲームを開始すると、まずはアバター作成となる。性別や肌の色など、特にステータスと関係のない要素なので、なんとなくのフィーリングで決めてしまえばいいだろう。
もちろん、後からいくらでもカスタマイズできるようになっている。その際のウェアやラケットは、勝利報酬で獲得したコインを消費することでショップから購入することができる。
装備品にはステータスアップなどの効果もあるので、積極的に改装していこう。
コンテンツ数は少なく、ほとんど他プレイヤーとの対戦だけという潔いまでの作り。
しかもワンマッチ戦と、複数の試合を続ける「大会モード」の2つという、これまた実に分かりやすい仕様。
ただ面白いことに、対人戦といっても、リアルタイム対戦ではなく、他プレイヤーの登録したキャラクターをCPUが操作して対戦するという形式になっている。
これにより、とにかくサクサクと軽快に対戦を重ねることができるようになっている。どんな時間にプレイしようと、一瞬で対戦に入れるのは、ストレスがなくて本当に良いものである。
操作方法も簡単。左右だけの移動ボタンと、近距離・遠距離・スマッシュのボタンをタップするだけ。
相手の立ち位置をよく見て、近距離打ちでネット際を狙ったり、遠距離打ちでライン際を狙ったりしていこう。
また相手がシャトルを打ち上げてしまった時はスマッシュのチャンスだ。ジャンプして打つスマッシュは、初めこそタイミングがシビアすぎて全く使うことができないかもしれないが、何回か試してみればすぐにタイミングをつかむことができるはず。
これが決まるとたいへん気持ちがいいので、ぜひとも狙ってみてほしい。
試合に見事勝利できれば、一定時間でアンロックできるチェスト(宝箱)を獲得することができる。これにはショップで使えるコインや、自キャラの能力値を上げられる「XP」が入っている。
そう、本作にはなんと育成要素もあり、しかも好きなパラメーターを自由に伸ばしていくことができるようになっている。どんな選手にしていくかは、自分のプレイスタイルと相談して決めていこう。
グラフィックや音楽
グラフィックは、数世代前のポリゴンみたいなものなので、お世辞にもクオリティが高いとはいえないものであるが、これはこれで味わい深いというか、逆にインパクトがあるように思える。
サウンドやエフェクトなど演出面がしっかりしていることもあって、なかなかに爽快感のあるアクションを楽しめるのが、また興味深いところ。とりわけ高い打点でシャトルを捉えたスマッシュの効果音が実に素晴らしく、かなりの手応えと気持ちよさを感じることができるだろう。もはやこの音を聴くためだけにダウンロードしてほしいといいたくなるほどのものだった。
また、何気にアバターカスタマイズのパーツが多いなど、シンプルなゲーム内容のわりにはやり込み要素が充実している作品でもある。
総合評価
スポーツゲームという以上にシンプルゲームといえる内容ではあるが、見た目やそもそものジャンル、そして妙に作り込まれたエフェクトやゲームシステムなどにより、なんとも異彩を放つような快作(ないしは怪作)に仕上がっているように思える。とにかく不思議と印象に残るのだ。
そういったこともあって、バドミントン好きやスポーツ好きだけでなく、ちょっとした対戦ゲームで遊びたいといったライトユーザーにもオススメした作品である。意外とハマる、という人も多いことだろう。