本作は、陣地盗りと資産獲得を目指すモノポリー調のボードゲーム作品で、全世界のプレイヤーたちとのリアルタイム対戦を楽しむことができる。
最大4人対戦で、順番にダイスを振って、止まったマスの効果を受けたり、都市を買い取ったりしながら、資産を増やしていくのがゲーム内容。全ターン終了時に資産金額が最も高いか、あるいは自分以外の全プレイヤーを破産させることができたら勝利となる。
モノポリーと違い、本作には様々な効果を持つ「スキルカード」が存在し、大きく戦略の幅を広げている。決して運任せにならない、一発逆転も可能という、なかなかに奥深いゲームだ。
ストーリー
ストーリーは冒頭にごく簡単なものが用意されているだけで、あとは対人戦がメインとなることもあって、特に複雑な展開が用意されていることもない。
ただプレイアブルキャラクター数が多く、バリエーションも豊富で、プレイヤーの想像力を刺激してくれる。そうしたキャラクターには育成要素も備わっており、お好みのキャラクターを強化していくことも可能だ。
ゲームシステム
コンテンツ数は少なく、基本的には対人戦を繰り返していくといった内容になっている。
ただスキルカードの編成や、イカサマダイスの作成など、勝負の前に準備できることはたくさんある。
プレイアブルキャラクターはガチャで獲得でき、レベルアップさせていくこともできる。それぞれステータスが異なり、税金や通行料などにボーナス値を与えることもできるよう設定されているので、自分のプレイスタイルと合ったキャラクターを探していこう。
カードゲームのように、スキルカードのデッキを編成しておこう。
開始時のカード3枚に、3ターン経過で追加されていくカードを6枚といった編成ができるので、カードの特性やプレイスタイルに合った順番を考えよう。
なおカードもガチャで獲得できる。
ゲームは順番で行動していく。自分の番が来たら、カードを使うかダイスを振るかを選択。
ダイスは2つ。出た目の数だけマスを進めるが、ゾロ目が出ればさらにもう1回振って進めることができる。
空き地に止まれば都市占拠ができ、他プレイヤーの土地に止まってしまえば通行料を払うことになってしまう。
また土地の他にも様々なイベントマスが設置されており、運が良ければたった1ターンでも大逆転することも可能だ。
明らかにランクが遥か上の格上を相手にしても、カードを使っての戦略や運否天賦で勝利をもぎ取ることができるゲーム。
勝利の快感はかなりのものがあるだろう。
グラフィックや音楽
美麗なグラフィックに、小気味いい演出とサウンドなど、総じてクオリティは高く、プレイしての爽快感や満足感は高い。
オープニングにはアニメーションまでついており、作り手の力の入りようが伝わってくるよう。
キャラクターのバリエーションも豊富で、さらに育成要素もあるので、RPG的な楽しみ方もできるだろう。
総合評価
実に完成度の高いスマートフォン向けボードゲームである。とりわけ1ゲームにかかる時間を短縮した設定やテンポの良さなどは、高く評価することができるだろう。とにかく、ちょっとした空き時間にも1プレイ楽しめるという点は喜ばしく、魅力的。またそれはカジュアルさに繋がり、ライトユーザーへの敷居を低くすることにも成功しているように思う。
それでいて、キャラクター収集や育成などのRPG的要素により、飽きずに長く楽しめるよう設計されている点も良い。
基本的にはレアリティの高いキャラクターの方が、ステータスが高く、能力も良いものが備わっているが、それに頼るだけでは絶対に勝てないよう、絶妙のバランスで調整されているように感じられた。決してガチャ運で強弱が決まるゲームではない。
そこは「モノポリー」と同様、運と戦略の両方で勝つ、という面白さがある。ぜひ一度、試しに遊んでみてほしい作品だ。